6 思い
―――――――――――お前なんか生まれて来なければよかったんだ。
そういえばあたし、お母さん達の事覚えてない・・・?
ガンッ!ガシャンッ!
そうだ、今はこんな事考えてる場合じゃない。
彩音を助けないと!
ピリリリリ、ピリリリリ――――――――
部屋中に携帯の着信音が鳴り響いた。
彩音のお父さんのものだった。
彩音のお父さんは「チッ」と舌打ちをして家のドアを勢いよく閉め、どこかに出掛けてしまった。
はぁ、なんとか助かった。
彩音はいつもこんな毎日を・・・?
「ごめんなさい、お母さんごめんなさい
あたしが悪い子だから、言う事聞かないから
出て行っちゃったんだよね・・・
お父さんもごめんなさい
だから・・・だから瑞樹も死んじゃったんだ」
彩音は大粒の涙を流してその場に座り込んだ。
そっか、彩音のたまに出す寂しさはこういう事だったのか。
ずっと悩んでたんだ。
いや、苦しかったんだ。
今までもずっと辛かったんだ。
なんで気付いてあげれなかったんだろう。
「・・・彩音」
「・・・・・」
やっぱりあたしの声は聞こえない・・・か。
信之の他に誰かいないかな・・・霊感ある人(笑)
いまは信之とはやだなぁ、また人探すのかぁ?
適当に行けば見つかるかな?
よし、あいつのとこに行ってみるか!
凶悪ヤンキー1号の所に・・・!(笑)