3 懐かしい道
住む場所を手に入れた所で、瑞樹は自分のお腹の音に気付いた。
「・・・ねぇ信之、お腹空いた、なんか買ってきて」
「お前幽霊だろ?」「幽霊でもお腹は空くんだよ!早く早く!」
と、なってあたしと信之はコンビニに向かった。
あたしは信之の後ろをついて行くのだが、すごく懐かしく感じた。
風も匂いも風景もあたしが生きていた頃と変わらなかった。
犬を散歩している人もいれば
ランニングして汗をかきまくってる人もいる。
スーパーの袋の中に大量の野菜を入れて重そうに持っている人もいれば
カップルが顔を真っ赤にしながら手を繋いで歩いていたりもした。
なにひとつ変わらないのにどこか寂しく感じた。
「なにそんなに見てんの?」
「いや、なんか寂しいっていうか・・・」「なんで」
「あたしがいなくなってもなにも変わらないんだなって」
瑞樹は悲しそうな顔をした。
そしたら、信之が瑞樹の髪をくしゃっとした。
「お前がいなくなってどんなにみんなが悲しんだと思ってんだ?」
「たとえば?」「お前の家族はもちろん、クラスのほとんどが寂しがってた」
「えーうっそだぁ」「嘘ついてどうすんだよ」
「いや、でもまぁ・・・なんかごめんね」
「なんで俺に謝るんだよ」
「あはは・・・所でみんなはどうしてんの?」
信之は黙り込んだ。
気が付くとコンビニに着いていた。
「食いたいもん適当に言えよ、お金有り余ってるから」
そう言うとポケットの中から財布を出して中身をチェックしていた。
あたしはさっきの質問にどうしても答えてほしかった。
だけど不器用に流されてどう聞いたらいいかわからなくなった。
ふと、信之の顔を見ると悲しそうな寂しそうな
でも何かを考えている顔をしていた。