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5,湊翔side



ようやく会えた千紗は可愛かった。それはもう。


「だからか〜急にメンタルが落ち着いたの」


玲音はテイクアウトした社食を食べながら話す。レッスン後、会議室で思い思いに休憩していた。


「はは、色々ご迷惑をおかけしまして…おかげさまで仲直りできました」

「それはよかったよ。まだお付き合いはしてないんだよね?」

「うん、まだ考える時間が欲しいって。だから今は一緒に過ごして信頼回復するって感じ」


今日のお弁当はカオマンガイ。最近、千紗がタイ料理にハマったそうで前回たくさん作ってくれていた。それから俺もハマり、今日もメニューで見つけて思わず頼んだ。

玲音も「久々だー」と話しながらガパオライスを頬張っている。


「じゃあ湊翔くんの頑張り所だね〜ファイト〜」

「あれ。煌くん今日昼それだけ?」

「そう、今減量中なんだよね」


もうすぐ大きなモデル撮影があるとのことで、煌の手元にはチキンサラダとゆで卵のみ。煌はメンバーの中でも1位2位を争うストイックな持ち主のため、こういったところもすごく尊敬する。もちろん自分も常に最善を尽くすようにしているけど。


「…でもこんなに去年から色々あったのに、仕事に影響が出なかったのは良かった」

「…うん、心配かけちゃってごめんね」


燈真がぽつりと呟いた言葉に、素直に謝った。

今までには考えられないくらいに不安定だった自分に、周りはかなりハラハラしていたことだろう。そんな自分に反省する。


「まぁ湊翔のプロ意識の高さには信用してるからな。念のため今後も気をつけろよ」

「ありがとう、カグアキ」


結成して10年になるが、あらためて良いメンバーに恵まれた。




ーーーーーーーー



インターホンを押すとすぐにドアが開く。


「久しぶり、湊翔くん」

「久しぶり、千紗。お邪魔します」


背中の半分まである長い髪を揺らし、千紗が出迎えてくれる。玄関に入ると、靴箱の上の飾りが変わっていた。


「ここ模様替えしたの?」

「そう、そろそろクリスマスだしね」

「前はハロウィン仕様だったよね。そっか、だからサンタとトナカイ」


「可愛いでしょ?」と笑う千紗。

「可愛いね」と言葉で返しながら、心の中で「千紗もたまらなく可愛い」と思う。再会してから知ったこと。千紗は季節を積極的に楽しもうとする。

実家にいた時もイベントごとはやっていたが、一人暮らしになり在宅がメインになった頃から意識して行うようになったと話していた。「そうじゃないと日付感覚が狂う気がするんだよねぇ」と、柿のジャムを作りながら教えてくれた。柿のジャムはクラッカーに乗せて食べた。美味しかった。


千紗が作ってくれたご飯を食べて、買ってきたデザートを食べる。今日は少し時間が遅くなってしまったので、お菓子ではなくフルーツだ。ブドウをぱくぱくと頬張る千紗はリスのようだった。


2人でいる時は色々なことをして過ごしている。

映画を見たり、まったりおしゃべりをしたりして過ごす。この前は玲音おすすめのボードゲームを2人で楽しんだ。


「…あ。あのね、湊翔くん」

「うん?」

「暫く会うの難しいかも」

「えっ」


眉を下げる千紗の話を聞くと、どうにも仕事がこれから立て込むとのことだった。そのため、連絡は取れるけど時間を合わせるのは厳しいとのこと。


「そっか…」

「ごめんね…連絡はできるから」

「うん。メッセージ送るね。電話もしていい?」

「いいよ。出れなかったら折り返すね」


よし、なんとか関わりは維持できた。

眉を下げる千紗に「気にしないで。仕事頑張ってね」と伝える。俺もこれからクリスマスや年末年始の収録が立て込む予定なので、すれ違いになりそうな気配に内心落ち込む。


「…ありがとう。湊翔くんも、頑張ってね」


応援してる。テレビも見るね。と笑う千紗に立て込む仕事へのやる気が上がった自分はチョロいな、と思いながら。



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