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番外①:突撃! 隣のアムルちゃん! 〜あなたの推しは誰なのさ!〜

──はい! こんにちは! 魔法少女ハッピーです! 夢は世界中をハッピーにすること! でもそれは叶ってます! 何故なら全人類を幸せにするのが私の存在意義であり存在理由なのですから、今ここに私が居るということは既に全人類ハッピーなはずなのです! というわけでよろしくお願いします!


アムル「私へのインタビューなのになんであなたがまず自己紹介するの……?」


──え〜では早速質問します! アムルちゃんの所謂「推し」は誰なんですか? まあカレンちゃんですよね!


アムル「質問の意味がまるで無い……!」


──それでは次の質問です。何故、そんなにカレンちゃんのことが好きなんですか?


アムル「何でって……好きだから。これでいいでしょ?」


──案外単純なんですね。


アムル「あなたに話す必要ないだけ」


──では、次の質問です。


アムル「まだ続くの……?」


──そんなあなたが大好きなカレンちゃん! 好きなところを教えてください!


アムル「さっきも聞かなかった?」


──さっきのは「何故好きなのか?」ですよ。今聞いているのは「どこが好きなのか?」です!


アムル「あ、そっか……えっとね、色々あるな……うーん……あれもいいし……」


──どれだけ言っても構いませんよ!


アムル「あ、ほんと? んじゃ、えっとね……」


──さあ聞かせてください!


アムル「まず髪が素敵よね。とてもいい匂いがするし、柔らかくて繊細なんだけどどこか力強くて、触っていると安心感が得られるの。それからお肌! 何のスキンケアもしてないのにどうしてあんなに綺麗なんだろう……ちょっと嫉妬しちゃう。次は目、ね! とても大きな目で、見られるとちょっと目力を強く感じちゃうけど怖いとかじゃなくて。あ、見られているな私。カレンさんに見られているんだって恥ずかしくなるの。あんな素敵な目で見られたら仕方ないよね! それからね……意外と気づかれないのが腕! 筋肉が付いているようにはとても見えなくて、女の子らしい柔らかくて細い腕。なのにその腕で抱かれるとすごく心強く感じるの! この人は私を守ってくれるんだって! 下手な男の子よりも男らしいの! そして何と言っても時折見せてくれる脇、よね! スベスベしていて、ムダ毛が一本も生えていなくて、アポクリン汗腺は一切なし! 一日中鼻を埋めたい素敵な脇だよ……! 汗のにおいは多少するけれど、臭いわけじゃなくて、なんかこう……良い! 更に言えば──」


──は、早い早い早い! 早いですアムルちゃん! 喋りが、早いです!


アムル「ふぇ……? ゆっくりじっくり語っているつもりなんだけど……?」


──ふぇ? じゃないですよ! 全く……時折私が相手をするおじさんみたいな早口でしたよ! ていうか言ってることがリアコでちょっと……。


アムル「え、なんかそれ聞くとやだ……。私そんなに早口だった? てかリアコって……そんなの当たり前じゃん」


──ちなみにそのおじさんは日曜の朝アニメについて語っていました。情報量多すぎて混乱しそうでしたよ……。相槌打つのが本当に大変でした。


アムル「うぅ……なんか反省。自分の好きな事になるとついこうなっちゃう……いや、なっちゃってるのか」


──私は別にそのままで良いと思いますよ。自分の好きな事について一生懸命に語れる人は素敵だと思います。


アムル「……あ、そういえばハッピーって「推し」はいる感じ?」


──私ですか? そうですねえ……萌鱈萌子ちゃんでしょうか?


アムル「だ……誰?」


──でも推しって感じじゃないんですよね萌子ちゃんは。事実萌子ちゃん推し! と思った事一度もありませんし。


アムル「ちょっとわかるかも……好きな人と推しってなんか違う感じするよね。私もカレンさん大好きって気持ちと、カレンさん推せる! って気持ち、ちょっと違うように感じるもん」


──そう考えると私の推しは……敢えて言えば、私自身が私を推している。そんな感じがします。


アムル「んぇ? どゆこと?」


──ではそろそろインタビューを終わろうと思います!


アムル「あ、そう? よかった……」


──最後にアムルちゃん! 最推しであるカレンちゃんに一言!


アムル「うえ!? えっと……カレンさん! あなたは顔面天才髪の毛国宝お目目ヤバたんな最高に推せる推しです! 生まれてきてくれてありがとーう!」


カレン「何の騒ぎ?」


アムル「ひょえ!?」


──カレンちゃん! ちょうど良いところに! 聞いてもいいですか?


カレン「えっと……何を?」


──ズバリ! あなたの推しは、誰ですか!?


アムル「うわ……無駄にドキドキする……」


カレン「おし? おし……叔父?」


カレン「えっと……私に叔父いたかなぁ?」


──推し、ですよカレンちゃん。自分が好きだったり、応援したくなったり、貢ぎたくなる人の事です! 人じゃなくてもオッケーです!


カレン「つまり好きな人……ね。……キ……かな」


アムル「んん!? 小さくて聞こえなかったですカレンさん! もう一度! ワンモアプリーズ!」


──ワンモアプリーズ!


カレン「……キモ座右衛門かな」


アムル「誰?」


──これにてインタビューは終わりです! アムルちゃん、ありがとうございました!


カレン「あれ? 私にお礼はなし?」


──カレンちゃんは明らかにふざけているので本誌には載せません! カットです!


カレン「……私出てきた意味あった?」


──ありません!


アムル「ちょっと! 何そのいい草! ハッピー……! 許さないよ!?」


──だってカレンちゃん意味わかんないんですもん! キモ座右衛門なんて方、ハッピー情報網に存在しません!


アムル「あなたのハッピーなんたらはどうでもいいの! カレンさんを否定しないで!」


──ダメな所はハッキリとダメ! と言わないと本人のためになりません! 甘やかすだけではハッピーへの道は途絶えてしまうのです!


アムル「むぅうぅ……! カレンさん馬鹿にするならそんな道封鎖ー! 通れませーん! 通行止めでーす!」


カレン「……二人とも夜中だから静かにね」


アムル「はーい」


──はーい

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