今は雨を待つ
今は雨を待つ
雨が地を打つまで
地の渇きが収まるまで
私という輪郭を作るまで
己の細胞が再び動くまで
私は雨の中に存在する
雨のない世界では
私もいない
傘を持てば
傘が輪郭を持つ
傘を捨てれば
私が輪郭を持つ
地に立つ感覚を知る
雨は気まぐれだ
なにかの輪郭を与える
その行為の意味を知らない
雨はただ降っている
私は雨の中でのみ生きる
雨打つ衝撃を身に纏えば
私はここに居る
傘なんて持たない
私が己の存在を独占する
ただ雨に打たれる
今は雨を待つ