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第68話 お屋敷にお呼ばれされました 1


「『ステータス』」


―――

 


伊織修 Lv120 人間

称号【名を冠する者を撃破せし者】

HP34000/34000

MP950/950

SP670

STR160

VIT170

DEX170

AGI180

INT165


エクストラスキル スキル貸与

スキル 鑑定 万能翻訳 空間転移魔法  認識阻害魔法 アイテムボックス 氷結魔法 治癒魔法 風魔法 水魔法 追跡・探知魔法  

身体強化 身体強化(中) ディスペル マジックカウンター 感覚共有

設計 鍛冶技巧


―――


 夏休み最終日となる8/31の夜。

 風呂から出た俺は早速2階の自室に戻ると、ステータスを確認して小さくガッツポーズをする。


 スキル一覧に加わった新たなスキル『設計』と『鍛冶技巧』、好奇心だけで習得してみたこの2つのスキルは単体では正直微妙なものなのだが、組み合わせて使用すると「ぶっ壊れ」スキルへと化けた。


 まず『設計』、これは現在所有する材料から作成したい道具を作るための設計図を自動的に脳内にインプットしてくれるというものだ。

 例えば「鉄」を材料に指定して、「武器」を作成したいと願いながらスキル『設計』を発動すると様々な種類の剣や槍、銃、果ては戦闘機やミサイルなどの設計図を手に入れられる。

 また逆に何か特定の物を作成したいと強く念じながら発動すると、MPを余分に消費することになるがピンポイントでそれの設計図と必要な材料の情報を手に入れることも可能だ。


 勿論これらの物は究極的には作れるかもしれないが、現実的には作成不可能な物。

 ぶっちゃけそんなものの設計図を手に入れたところで何の役にも立たない。


 そんな不満を解決してくれるのがスキル『鍛冶技巧』だ。


 この『鍛冶技巧』は反対に設計図と材料があれば、MPを消費することでどんな道具でも作成することができるというもの。


 つまり『設計』と『鍛冶技巧』、そして素材とMPがあれば事実上どんな道具でも作成することができるというわけだ。

 ―――ある問題に目を瞑れば、ではあるが。


 ともかく俺はこのスキルを習得してから暇な時間さえあれば『設計』と『鍛冶技巧』の検証や実践を行うと共にスキルレベルを上げて経験値を獲得してきた。

 そして今日、俺のレベルはついに120の大台に到達したのだ。


「……よし」


 俺は『アイテムボックス』から鉄などの素材を取り出すと、『設計』でとあるゲームに登場した『パイルバンカー』の設計図をインプットし、『鍛冶技巧』で実際にそれの作成を試みる。


 これまではMPの関係上作成できなかったが、レベル120に到達した今の状態なら……。


 スキルの発動と共にアイテムボックスから取り出した素材は混ざり合い、1つの物体へと変化していく。


 やがてそれは複雑な機構で内部に装填された杭を敵へと打ち込むためだけの無骨で、しかし各所に施された装飾から何処か気品さも感じさせ、そして何よりも重厚感を伝える兵器へと再構築された。


「できた……」


 完成したそれを見て思わずポツリそう呟いてしまう。

 遅れてようやく求めていた域へと達することが出来たことへの喜びが湧き上がってきた。


「ようやくできたぁ……」


 それと同時にこれまでの疲労がドッと押し寄せてきて、俺はそのままベッドに倒れると大きく深呼吸をして自分を落ち着かせる。


 長かった。

 いやスキルを習得してからまだ2週間位しか経っていないから実際には長くはないんだが、それでもそう感じてしまう程にはあのスキルには苦労させられたんだ。


(っと、その前にあれを仕舞ってスキルも確認しないとな)


 俺は何とか理性を働かせて作成したパイルバンカーをアイテムボックスに収納すると、『鑑定』で『鍛冶技巧』を確認する。


―――


対象:鍛冶技巧

効果:スキルレベルが一定の値に達した状態で作成したい道具の素材と設計図を用意し、MPを消費することでそれを作成することが出来る。

状態:スキルレベル40/999

補足:


―――


 ある問題、それはこの鑑定結果を見れば何となく察することが出来るだろう。

 この『鍛冶技巧』というスキル、最高レベルが他のスキルと違って999と異様に高いのだ。

 そして鑑定にも書かれてある通り、道具の作成には一定のスキルレベルが必要となる。

 例えばスキルレベル10になってようやく西洋ファンタジーものに出てきそうなロングソード(低品質)が作れるようになり、20になり簡易的な構造の銃器、30になって複雑な構造の鎧などが作成できる、といった感じだ。

 それと同時に厄介となるのが消費MPである。


「『ステータス』」


―――

 


伊織修 Lv120 人間

称号【名を冠する者を撃破せし者】

HP34000/34000

MP495/950

SP670

STR160

VIT170

DEX170

AGI180

INT165


エクストラスキル スキル貸与

スキル 鑑定 万能翻訳 空間転移魔法  認識阻害魔法 アイテムボックス 氷結魔法 治癒魔法 風魔法 水魔法 追跡・探知魔法  

身体強化 身体強化(中) ディスペル マジックカウンター 感覚共有

設計 鍛冶技巧


―――


 『設計』の消費MPが5、『鑑定』が10、『アイテムボックス』で40、そしてこのパイルバンカーの作成に消費したMPが400。

 これだけでも『鍛冶技巧』が如何にMPを食らうものかが分かるだろう。


 先の事件のヒーロースーツや空中要塞を作成するには一体どれだけのMPとスキルレベルが必要になるのやら。


「……寝よ」


 とりあえず今はここまで複雑な道具を作成できるようになったことと、レベル120の大台に到達したことを喜びながら寝るとしよう。

 そう考えて俺は電球の点灯リモコンを手に取ると部屋の明かりを消した。

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