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令嬢の成り立ち

正確には令嬢(?)の成り立ちだね!


僕は王太子妃になんか絶対にならないし、当然、ど田舎の頭の悪い令息と婚約できるわけもない。


 「だってこの子、なんたって、」











「「「男なのに」」」



 そう、

 公爵家の末娘とされているエイヴェリー・ホワイトは、令嬢でもなんでもない


  『男の娘』だったのだ。


 事の始まりは、エイヴェリーが生まれるよりも前のこと。とある男が、


「私も一度は普通に生きてみたい」


 と書き残し、姿をくらました。

 彼は旅人となり、その旅の途中に出会った踊り子と恋に落ち、真実の愛を見つけた。

 順調に愛を育み、これからの2人の未来が幸せに満ちたものだと、誰もが思った。


 が、その幸せは突如として終わりを告げる。謎の男が2人を訪ね、旅人の身の上話を語り、国にはあなたが必要であると説いた。

 それを聞いた旅人はその話を拒否した。


 しかし、今度は旅人のもとから踊り子が姿をくらました。旅人の身分を知り、恐れ慄いたのか、訪ねてきた男に脅されたのか。どんな理由から消えたのかは分からなかったが、もう2度と旅人の前に現れることはなかった。


 それを嘆き悲しんだ旅人は、長い間踊り子を待っていたが、ついに諦め、国へと帰った。

 

 そして、旅人は王太子から国王になった。

 それがこの国、シグニアの現在の国王である。



 国王は、有力貴族の娘を妃に娶り、第一子も誕生して、平穏に暮らしていた。

 まるで過去の出来事を忘れているように。

 

 だが、国王は踊り子のことを忘れてはいなかった。

 せめて寵妃として迎えられるようにと、持ち得る全ての力を使い、彼女を探した。


 その結果、彼女はすんなりと見つかった。


 遺体として。

 

 そして彼女は、敵国の第三王女で、いつかの国王と同じく、家出中の身であったことが判明した。

 

 それともう一つ。


 踊り子の遺体を見つけたとき、その側に、彼女と顔立ちがそっくりで、シグニア王家の証である紫の瞳を持った子供が立っていた。





 それがこの僕、エイヴェリーだ。

  

 なんていう話を最初に聞いたときは、流石の僕も驚いたね。だって馬鹿だろう?この国の王家の血を引きながらも、敵国の王家の血も引いている厄介な子供。

 

 そんな奴を公爵家に置いてまで生かしておくなんて真似、僕には考えられない。


 公爵…父上は、その馬鹿馬鹿しさこそが愛だと言っていたが、そんなものが愛なんて、この世はいよいよ狂い始めたのか。と呆れる今日この頃。


 おまけに、第一子は男児だが、その他にも王の血を継いだ男児がいるとバレたら大変な事態になるから、とわざわざ女装までさせる始末。

 

 そんな面倒臭いことをするくらいなら、見つけたときに保護せず、そのまま放っておけば良かったのに。公爵家に置くなんて。

 

 父上としては、国王に一生ものの恩を被せるために、僕を育て抜くことは朝飯前だったのだろう。どいつもこいつも、自分の為に勝手しやがって。


まあ、父上には、自分とは何の関係もない僕を育ててくれていることに感謝しているし、おもちゃにはされたが、姉として接してくれた4人にもありがたく思っている。


 …が、それとこれとは話が別だ。

 恩を返したいとは思っているが、男と、しかも辺境の阿呆だという野郎と婚約だと?

 

 ふざけるなよ…僕の立場上、父上に表立って拒否することはできないが、あっちの方に着いたら、早速ど田舎のバカ令息を徹底的に無視してやる。


 そして、この理不尽な婚約…絶対に破棄してやる!



今回も令息は出てこなかったね!ごめんね!次出ると思うよ!ていうかそう思いたいよ!

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