スパイと軍人
黒い闇が端の方から順に去り今日という日が
幕を開ける。ある人は目覚め、また、ある人
はまだ眠っているような時間、生きていく事
全てに嫌気がさしていた。今ではもう昔の隊
員は周りにはいない。少しだけでも寂しいか
と思える程、軍に所属していた頃他の隊員と
繋がりが深くはない。全ては自分が悪いのだ
が1週間前のあの頃が懐かしくなってきた。た
り無い物が有るならばあの頃感じたスリルだ
が、最近の生活ではそんな事は感じない。
あぁ今日も一日酒に呑まれ過ごすのかと考え
る。変わったことがあるとするならば
「ん?誰だこんな時間に」
「最近変わったことはないか?」
「え?まぁ、とりあえず入ってくれ」
こんな早朝に客が来たかと思えば今考えていたことを尋ねてきた。
「あんたらは何を知ってる」
「こいつのことは流石に知ってるだろ、フードを取れよ」
「あ、あぁ。僕はアラディブ、よろしくね」
先日死亡したとニュースで見たはずの人間が目の前にいる。それに彼からは......
「僕は死を偽装する直前に君に全財産を送った。覚えてるよね?」
「あぁ、急に振り込まれたから驚いた」
死を偽装してまで俺に金を送ってきた理由はなぜだ?俺みたいなダメ人間に。
郡に所属していた頃は、今もそうだが、ギャンブルに明け暮れる日々だった。そんな俺の生活に呆れたのか、俺は軍を辞めさせられたのだ。銀行で金を引き出そうとした矢先、多額の振り込みが行われた。
「あの金なんで俺に送ったんだ?」
「あぁそれは俺から話そう」
男が言うには、俺が金の為なら何でもすると言う情報を仕入れ、彼らの仲間に引き入れるための前置きとして送りつけたらしい。
「なぁ、お前のことだ、全部ギャンブルにつかったとか言わねぇよな?」
「大丈夫だ。まだ、五分の一も使っちゃあいねぇよ。あんたらの話、乗った。チームに入れてくれ」
「使ったのか、まぁいい、よろしくな。今日からお前は5だ。」
こうして、五人目の仲間と、日本円にして十兆円ほどの金を手に入れた。
4と5にはアジトに向かってもらい1と0はカザフスタンに向かう。
「ギャァァア!分かった話すから、待っ....」
「もう必要なデータは手に入った静かにしててね」
照明の切れかけた明滅する通路をまるで幽霊のように通り抜ける。彼女は退屈そうにしている。最近受ける任務は緩いものばかりだからだ。
「ん?何で出口に人が居るんだ?周辺の警備全て再起不能にしたはずだけど」
しかし取りこぼしだったらよかったのだが、近づくにつれて、その人がここの施設の人間でも、警備の人間でもないことが判ったが、その方が彼女にとっては厄介だった。他国から送り込まれた使者だったのなら尚更だ。
「あなたは?」
「俺か?俺はただの九十六歳の老いぼれだ」
「何の用?」
「話がしたい」
彼は自分が九十六歳だと言っていたが、そんな歳には見えない。精々二十代だろう。訳の分からない男に目をつけられたようだ。
「生憎、私は今任務中なの、そこを退かないと殺すよ?」
「少しくらいいいだろ」
彼の今まで出会った敵官にたまに見られる執念深い目をしていた。断ってもついてくると思い、他時間なら、と承諾した。話の内容はチームを作って戦う、現在五人集まった、私をスカウトしにきた。と言うものだった。
「私はロシアのスパイよ?あなたの話には唆られるけど、私は国に支えてるの、だから拒否させてもらうわ」
私が彼の横を通り声ろうとすると彼は、
「自分を売った父親に報いたいとは思わないのか?自分を幼少期から痛めつけ、都合の良い道具としか思っていない国に使えるのか?俺だったら無理だと思っても抜け出して復讐してやりたいね」
自分を売った父親、何故彼がそのことを知っているのだろうか?質問する。過去のことを全て調べたらしい、出生から現在まで、組織に消されたはずの過去まで知っていた。全てを聞き終え、過去を思い出しているうちに涙を流していた。
「お願い、この地獄から救い出して......」
「辛かったんだな。大丈夫だ、一緒に全部ぶっ壊そう」
その後、一度アジトに帰った。
「お帰りぃ、あなた新人だね!あたしは2、よろしく!」
「よろしくね」
「なぁ5は?」
「遊びに行った」
「はぁぁ」
ここ数日、アジトに残っていた彼女らは親睦会を兼ねて、銀行強盗してきたそうだ。暇だから強盗ってバレたらどうするんだよ。
「身元が破れないように注意しろよ」
「えーと、もしかしてこの中で死んだことになってるのって1、4、私の三人だけ?」
「あぁそうだが何かあるか?」
「全員死亡偽装しといた方が良くない?私やっとこっか?」
「それもそうだな頼む」
旅で疲れているため少し休むことにした、0は近くのホテルで闇社会の情報を集め、1は昼寝、2は6の仕事を見て感心し、3は翻訳機と友達に、4は何かを仕切にメモし、5は遊びに行っていた。全員の死亡偽装が終わり次第、8人目のスカウトへ向かう。突如、通信が入った、0からだ。何故か切迫した様子の0は告げる。
『逃げろっ!敵が来る!』
「戦闘準備、敵だ」




