MVS
「急に気が変わったのは何故だ?」
「話すと長い、もしかしたらニュースになってるかもしれない」
MVSとは表向きには慈善団体でもう一つの顔は0が言ったように世界を裏から支える組織だそうだ。その中でもさらに極秘なのが健人が所属していて、MVS部隊、mutant vermin solution の頭文字をとったもので、放射能汚染による突然変異動物が引き起こす問題を表に出る前に解決する部隊だ。
健人がある任務についていた時、彼の上司がしくじり対象を取り逃してしまったそうだ。その責任を押し付けられ、国連に追われる身になったそうだ。
「何を逃したんだ?」
彼は周りを確認し小声で
「人だ。今まではネズミからライオンまで様々な動物の突然変異つまり進化は確認されてきた。しかし、人間の場合は確認はされていなかった。戦争から百年経っても復興が進んでないのはそういう生き物がいるせいだ。」
確かに太平洋戦の時の日本の七〇年後は世界でもトップクラスまで発展していた。なのに、百年かかってニューヨークがスラムなのは流石に遅いと今更気づいた。
彼は続ける。
「今までは人間は、適応出来ず進化もできず死ぬだけだった。だが一週間前、現れてしまった、過酷な状況に適応しミュータント化した人間が。奴らはそれぞれが特殊な力を持っていることが発覚した。動物の場合は殆どが同一進化を遂げる為能力差は出なかったが、脳の未使用領域を解放したのか知らないが独自進化しやがった。」
SF映画や小説でしか聞いたことのないような話が実現してしまったのだ。ニュースでその映像を見て確信した。
「たっだいま〜。新入り連れて来たぞ」
「あんたは3って事になるのかな?あたしは2、よろしく」
そういえばそうだった数字で呼ぶって決めてたんだった。
「ねぇあんたらもニュース見た?」
「あぁ3はそいつらを対処するチームの人間だそうだ」
「すごいな!あんなのと戦ってたんだ」
「あ、あぁ」
「じゃあ俺はスカウトに行ってくるから仲良くな」
「バイバーイ」
「何で彼は一人で行くんだ?」
「え?知らない。何でだろう」
『0、インドへ向かうぞ』
「ひょーはい(了解)」
『なんか食ってる?』
「はへてなひよ(食べてないよ)」
0は鉄塔の上で和菓子を食べながら返事する。
アラディブという貧しい家庭に生まれた男は、今やIT業界に革命を起こす若手実業家だ。彼の会社の商品はとても品質が良くゲイルも愛用している。
「ねぇ1、彼が逮捕されるかもよ」
「は?」
「これ見て」
『......で有名なアラディブ社長が横領の疑いで警察が彼の自宅とオフィスを家宅捜索することが明らかになりました。詳しい情報が入り次第、お伝えしていきます』
貧困層に金を配るような奴が横領するとは思えないが、裏ではそういう人間だったとしても何もおかしくない。
「彼は今どこに?」
「今探してる」
彼は自宅にいた。恐らく事情を聞かれているところだろう。警察が帰るのを待って彼の家へ向かう。
「何ですか?」
「話がしたい」
「罪を消す代わりに金を寄越せとかですか?」
「違う。とにかくここじゃ話しづらい入れてくれ」
彼は暫し考えると武装解除するのならいい、と了承してくれた。そして、他のメンバー同様に仕事内容を伝えた。
「あんた、あのニュースほんとか?」
「そんなわけないでしょう」
「じゃあ何で」
「彼ですよ......」
アラディブは副社長が社長の座を狙っていること、彼の横領が発覚した時、警察に突き出そうとしたら先を越され、虚偽の通報をされたことを話した。
「まあ彼のことですから他の社員達も丸め込んで全て僕に押し付けるつもりでしょうけどね。いいですよ。あなたのチームに入りますよ。でもどうするんですか?」
「あぁそのことなら大丈夫だ。あんたがここにいることを装って、ここを吹き飛ばす。ダメか?」
こんな豪邸を粉々にするのは忍びないが、それがいいだろう。断られると思ったが彼は了解した。口座を凍結される可能性を踏まえて全て引き出すよう伝え死亡偽装計画を始めた。周りには他の住宅がない崖に建てられた家だった為派手に吹き飛ばす事になった。死体も見つからないくらいの。
「口座をからにして直ぐに死んだらもっと事件がややこしくなるんじゃないか?」
「あぁだからこの男の口座に全額振り込んでくれ。あんた確か貧困層に金を配ってたよな。あんな感じで」
「彼は君の仲間かい?」
「いや」
その日のうちに口座をからにし、爆弾を作った。
そして三日後、世間的には若手実業家はこの世を去った。
「おい4起きろカナダに着いたぞ」
「もう着いたのかい?」
次の人物をスカウトすべく、カナダへ到着した。ただ今回は例外で0と1の二人ではなく4も同行している。




