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90鱗目:1日目!龍娘!

 

『というわけで一年に1度、三日に渡るこのお祭りを全力で楽しみ、新たなる思い出を青春の一ページに刻んでください。それでは文化祭、開催です!』


 「「「「「「「「「「おぉー!」」」」」」」」」」


 校長先生の相変わらず短く生徒心をよく分かっている挨拶が終わり、それを合図に色とりどりな今日の為にそれぞれが用意した服に身を包んだ生徒達が声を上げる。

 そして僕達3人も生徒達がそれぞれのクラスへと向かう中で────


「いよいよだな」


「だね」


「いい文化祭にしましょ」


「やるぞー!」


 「「「おー!」」」


 気合十分にそう言って拳を上げるのだった。


 ーーーーーーーーー


「こちら教室グループ!カボチャプリンとチョコムース、飲み物にいちごミルクとリンゴジュースそれぞれ1つずつ!」


『こちら運送グループ!今から運ぶ!』


「ドラゴンさん注文いいですかー?」


「少々お待ちくださーい!それと今日はドラゴンじゃなくて天使でーす!」


「天霧さん追加のお客様が!」


 まだ来るの?!


「花宮さん注文お願い!こちら教室グループ!お客様が予想より多いです!残りの材料はどれ程ですか?!」


『こちら料理グループ!今日使えるのは後80人分が限界よ!』


「了解!とりあえず30人分追加でお願い!」


『分かったわ!』


「すいませーん」


「はーい!」


 額に汗を浮かべながら、僕は元気よく返事をして尻尾の先に片付けた食器なんかを乗せつつ、注文を取りに向かうのだった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「だぁぁあ!くっそ疲れた!」


「家庭科室との往復お疲れ隆継」


「ありがとな鈴香。でも俺としては、あれだけ接客を完璧にこなしといて全然バテてないお前のその謎耐久力が気になるよ」


「そりゃ接客リーダーですから」


 いつもより盛大に張り切っておりますのよっ!こんな衣装だけど!


 ふふんと胸を張りながら、休憩時間を貰った僕は同じく休憩時間を貰った隆継と共に休憩を取っていた。


「そういやさーちゃんも休み時間じゃなかったっけ」


「あいつは部活の方に顔を出すって言ってたぞ。真面目だよなぁ」


「あははっ、さーちゃんらしいや。そういや隆継は委員会の方に顔出さなくていいの?」


「俺の仕事はないからなっ!」


 そんな誇らしげに言うことなのかー?


「とりあえずどうする?どこから回る?」


「そうだなぁ。とりあえず────」


「あっ!すずやーん!今休憩なんー?」


「あそこからにするか」


「だね」


 客の呼び込みだろうか、教室の外でチラシを持ってこちらに大きく手を振る法被姿の鉢巻を巻いたとらちゃんを見て、僕達は最初に何処へ行くかを決めたのだった。


 ーーーーーーーーーー


「いやー、なかなか楽しかったね」


「だな、思ってたよりもクオリティ高かったし、俺としては大満足だ」


 んまぁスーパーボールを全部取るとか、そんなことやり遂げたらねぇ。とらちゃんとむーさん顔ひきつってたけど。


「あ、さーちゃん。お疲れ様ー」


「ごめんね待たせて……何かあったの?」


「んーまぁ、後でとらちゃんとむーさんに謝っときなよー?」


 僕はニヤニヤと意地の悪い表情を浮かべつつ、合流したさーちゃんの前でそう言いながら隆継の脇腹を肘で突っついていた。


「うぐっ……わ、わーってるって。さて!次はどこを回ろうか!」


「あんた一体何したのよ…………まぁいいわ、明日くる千紗さんの為にも昼過ぎまでに少しでも多く見て回っておかないとね」


「だね。それじゃあ2人とも……文化祭、楽しむぞー!」


 「「おー!」」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「クレープ食べに来たよー!」


「お!いらっしゃい天霧さん!休憩時間かい?」


「うん!そっちは売れ行きどう?」


 意外と中庭人居るし結構売れ行きは良さそうだけど。


「まちまちってとこだな、さて3人はどのクレープにするかい?」


 いくつかの屋台が立ち並ぶ中庭の一角、貰ったクレープのタダ券を渡しながらどれにするか聞かれた僕は、いくつかあるクレープの種類を見る。


「いちご!」


「んじゃ俺はチョコバナナで」


「あたしはアイスで」


「まいど!」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「美味かったなぁクレープ」


「うん!ぺろりと食べちゃったよー」


 甘さ強めのクリームをいちごの少し強めの酸っぱさが引き立ててすっごい美味しかったんだよね〜♪また明日も食べに行こっと。


「鈴ったらそんな可愛い顔しちゃって」


「甘い物は幸せをくれるのだよ〜♪」


「ふふふっ。ねぇ、次あそこによってみない?」


「お、手芸店か。確かに面白いものありそうだな。鈴香はどうだ?」


 手芸店かぁー、小さいぬいぐるみとかキーホルダーみたいなのかな?


「確かに面白そうだね、行ってみよ行ってみよ!」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「〜♪」


「よかったな鈴香、収穫があって」


「うん!まさかこんなに可愛いにゃんこうのチビぬいぐるみがあるなんて!ん〜もう最高っ!」


 僕はそう言うと上機嫌に尻尾をひゅんひゅんと振りながら、少し大きめのコップくらいあるにゃんこうのぬいぐるみに頬ずりする。


 作ったっていう人がちょうど出払ってたのだけが残念だったけど、それでもこのクオリティ!足を運んだ甲斐があったよ〜♪


「大満足そうね」


「だな、鈴香が楽しんでるようで本当に…………」


「…………アンタ、あそこ行きたいんでしょ」


「うっ、バレたか……」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いやー、まさか隆継もああゆうのが好きとは」


「し、仕方ねぇだろ、やっぱアニメ好きとしては1度くらい行ってみたいんだからよ」


「そんな事だと思ったわ」


 ニヤニヤと笑いつつそう話しながら被服部のやっているメイドコスプレ展から出てきた僕らは、周囲の視線を浴びつつもペースを乱さずに歩きつづける。


「まぁメイド喫茶じゃ無かったのは残念だったね」


「うぐっ……でも鈴香だって結局着せられたメイド服着たまま出てきたじゃないか」


「だって正直天使服よりもこっちの方が恥ずかしくないし、それにこの後料理大会あるしー──────」


 「「あぁっ!」」


「うおっ?!どうしたお前ら!」


「隆継今何時!?」


「い、今か?今は1時半だが……何かあったか?」


「料理大会!」


「忘れてた!」


「えぇー?!」


 隆継の嘘だろと言わんばかりの絶叫を後ろに聞きつつ、時間ギリギリで気がついた僕とさーちゃんは、会場へと走り出したのだった。

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