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34鱗目:初登校!龍娘!

「鈴ちゃーん、ご飯出来たよー」


「んん………………あれ…?千紗お姉ちゃんが起きてる……?」


 千紗お姉ちゃんが僕より起きるの早いなんて…………もしかして寝坊した……?


「だいぶ失礼な事考えてない?……というか今日から学校だから早く寝なさいって言ったのに結局あの後も起きてたの?」


「えへへ。楽しみで眠れなくて……」


「ふふっ、だと思った。ほら、制服に着替えてからリビングにおいで」


「はーい」


 仕方ないなぁという様な仕草をした千紗お姉ちゃんがパタンと音を立ててドアを閉めるのを見て、僕は眠たい目を擦りつつ起き上がり伸びをする。


 そっかぁ……今日から学校かぁ。


 ほわほわとした眠気の中で僕はそんな事を考えつつ、壁にかけてある僕が今日から着ることになる制服を見る。


 僕、天霧鈴香はこの家に引っ越してきて1週間後の今日、とうとう学校へと通い始めるのだった。


 ーーーーーーーーーー


「着替えてきたよー」


「おっ!やっぱりよく似合ってるじゃない、翼とか尻尾の色と似た色なのがまたいいわね!」


「えへへ………」


 夏らしい白と薄い灰色の制服に着替えキッチンへと来た僕は、千紗お姉ちゃんに褒められその場で立ったままもじもじと照れてしまう。


「でも……もうちょっとこのスカートの丈はどうにかならなかったのかなぁ…………」


 これは流石に短過ぎない?

 前に着た膝丈少し上のより短いよ?

 それに短過ぎて足回りが不安というか太ももがすーすーして変な感じが…………世の女子生徒達は皆こんなスリリングな服を毎日着てるの?

 というか改めてこれで学校に行くとなるとなんか恥ずかしい!それもすっごく!


 膝上5センチくらいのスカートに僕は、さっきまでの褒められてもじもじしてたのとは違う意味でもじもじする。


「でも女の子って皆そんなものよ?………………まぁ確かに少し上げすぎたかもだけど」


「ほらやっぱり!はぁ……仕方ないから夏服はもうこれで諦めるけど、冬服はせめて膝丈にしてよね?」


「はーい♪」


 千紗お姉ちゃんとそんな話をした後僕はさっさと朝ごはんを食べてしまい、時間もないので昨日の余り物を適当に入れた弁当箱の入った袋を肩掛けバックへ放り込む。

 そして僕が忘れ物がないかを確認し終えた所で玄関のチャイムが鳴る。

 そのチャイムを聞いた僕と千紗お姉ちゃんは玄関へ出向き、玄関を空けてチャイムを鳴らした人へと挨拶をする。


「おはようございます陣内さん」


「ん、おはよう。それじゃあ行くとするか」


「はーい。それじゃあ千紗お姉ちゃん、行ってきます!」


「うん、行ってらっしゃい」


 僕は少し緊張混じりで迎えに来た陣内さんに挨拶をし、いつものトラックの荷台へと乗り込んで千紗お姉ちゃんへ行ってきますと手を振る。

 そんな僕に千紗お姉ちゃんが笑顔で手を振り返してくれたのが荷台の閉まり始めている扉から見えた。


 ーーーーーーーーーー


 はうぁぁぁ……なんか緊張してきたぁ…………


 山道だからだろうかゴトゴトと揺れる荷台で僕はソワソワと歩き回っていた。


『どうした?何か忘れ物か?』


「いえ、ちょっと緊張して…………そういや皆さん元気にしてます?」


『はははっ、なるほど緊張ね。少なくとも外に出てた奴らは元気にやってるよ、中に居る奴らはどうか分からん。連絡とれないからな』


「そう、ですか……教えてくれてありがとうございます」


 三浦先生大丈夫なのかなぁ……


『いいってことよ』


 僕が日医会の本部から出たあの記者会見の日以降、本部の周りにはずっと取り囲むように記者や人権保護団体を名乗る団体等が居座っていた。

 そして中に居る人が無事か知らないのは本部との通信が傍受され、僕達の居場所が突き止められないようにする為だ。

 そして陣内さんや柊さん、花桜さん等数名の職員さんがあの日の前日に街へと潜伏していた事により、僕は移動手段と食料を手に入れる事が出来ていた。


 せっかく三浦先生が囮を引き受けてくれてるんだから、目立つ真似は避けないとね。

 というか────


「何が人権侵害だっ!研究は僕が進んで手伝ったんだし、そもそもこの姿になったのは誰のせいでもないのに」


『全くだ。昔っからマスコミとそういった団体は自分らの都合のいいようにしか情報を発しない』


「1回僕が出張って違うって大体的に言ってやりたいくらいです」


『それこそ「操られてるに違いない」なんて言われるからやめとけ。まだその時じゃないのさ。よし、着いたぞ』


 無意識に頬を膨らませていた僕は陣内さんに到着したと教えられ、それを聞いて軽く身だしなみを整えると尻尾を軽くひと振りして「よし」という。

 僕のその言葉を合図にするように荷台の扉が開き、僕の視界に学校の大きな建物が映る。


 今日からここに通うんだよね…………確かに緊張もあるけど……うん。楽しみだな!


「それじゃあ行くか」


「はいっ!」


 顔を上げて校舎を見上げるようにしていた僕はふんすと意気込み、陣内さんと共に校内へと入っていった。


「ではそういうことで」


「はい、よろしくお願いします」


 緊張した面持ちのThe校長というてっぺんハゲの校長先生と陣内さんの話が終わり、僕も改めて校長先生と担任となる先生へ頭を下げる。


 この校長先生、僕が前に編入試験みたいな感じの受けに来た時と同じくらい緊張してるなぁ……

 そしてそれ以上に僕の担任の先生が緊張してるっていうね。


 顔を上げた僕の目の前には、表情どころか全身ガチガチにした先生方2人がおり、僕は笑顔を浮かべてそんな事を考えていたのだった。

 ちなみに僕の担任と紹介をうけた代永先生は校長先生とは違い、黒髪ロングのサラサラヘアーで高身長の美人先生だった。


「さて、それではお時間も良さそうですし…………また授業が終わる頃に来るね」


「はい、分かりました」


 ふっと僕に笑いかけながらそう言って立ち去っていく陣内さんに、僕は軽くお辞儀をして別れる。


「それでは天霧さん、体育館の方に」


「はい」


 校長先生に言われるがまま、僕は2人の先生と一緒に体育館へと向かって応接室から歩き始めたのだった。


 ーーーーーーーーーー


 はぁぁぁぁ……緊張してきたぁぁぁぁぁ………………


 体育館のステージにある袖幕の裏に待機していた僕は、少し先から聞こえるガヤガヤワイワイと賑やかな声に否応なしに緊張していた。


 深呼吸……深呼吸…………


「あのっ」


「ぴゃいっっっっ!って代永先生?」


 そんな風にすーはーすーはーと気持ちを抑える為、深呼吸をしていた僕はいきなり後ろから声がかけられ、それにびっくりしてしまい、小さい悲鳴を上げてしまう。


「すいません。そんなに驚かせるつもりは無かったのですが……その1つお願いが…………」


「あははっ。大丈夫ですよ、ちょっと驚いちゃっただけなので。それでお願いってなんです?」


「あっはい、その……大変失礼な事かもしれないんですが…………翼と尻尾を触ってみてもいいですか?」


 翼に尻尾……?あぁ、そっかもう日医会の人達には何も言われないから忘れてたけど、そりゃ触ってみたいよね。


「触るのは全然構いませんよー。あっでも、根元と尻尾の先は触らないでくださいね?その……とっても敏感なので」


 僕がそう言って代永先生が触りやすいように翼を広げ、尻尾は代永先生の手のある辺りに持ってくると、代永先生は恐る恐ると伸ばして来た手が僕の翼膜へと触れる。

 僕は前にもこんなことあったような?と首を傾げながらも尻尾や翼から来るこそばゆい感覚に耐えていた。


「代永先生、もう始まりますのでそこら辺で」


「分かりました校長先生、ふぅ…………なんだかとっても不思議な触り心地のよさでした」


「そうでしたか…………」


 代永先生へストップをかけた校長先生が代永先生の感想に微妙な顔で返事を返した後、僕の方を見てきた事で僕はもしやと思い聞いてみる。


「…………校長先生も後で触ってみます?少しならいいですよ?」


「ほ、本当かい?それなら後で少しだけお願いしようかな?」


 なんかこの校長先生かわいいな。


 オドオドとしながらも期待いっぱいな校長先生の顔と態度を見て僕はそんな風に思ってしまった。

 そして校長先生は僕の返事を聞いてノリノリで壇上へと出ていった。


『生徒の皆さん、おはようございます。今日は皆さんに重要なお知らせがあり集まって貰いました。ではまず───────』


 その後、校長先生の話が終わり、僕が壇上に出た瞬間場の雰囲気が一気に変わり、次の瞬間今度は生徒の皆が大盛り上がりしていた事は語るまでもあるまい。

 ちなみにあの二人を探してる余裕は壇上に立って緊張していた僕には無かった。


以下キャラ紹介


・陣内晴斗


最初も今も陣内さんと鈴香に呼ばれている人物。

周りからは陣内、陣内さんと呼ばれている、社内やクラスに一人はいる「苗字は分かるけど名前なんだっけ?」といった人。

日医会の下層職員の1人であり、下層では数少ない大型免許保持者。

見た目は疲れ気味な優男で身長180台の細マッチョ。髪の毛は少し長め。

面倒見のいい性格で結構な人に慕われていたりする、ちなみに日医会内に隠れファンクラブがあったりもする。

本人には気が付かれてないがなんやかんやで千紗や三浦レベルで鈴香のことを気にかけている。

ちなみに今まで鈴香の乗ったトラックを運転しているのは全部この人だったりもする。

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