129鱗目:組み分け!竜娘!
お久しぶりです「」
今回は体育祭のお話の続きです
「これでよしっ……と!」
「天霧さん、進み具合はどう?」
「あ、先生!ちょうど骨組み運び終わった所ですー!」
「おぉおぉ、今日も良く飛んでるなぁ」「やっぱ天霧さんが飛んでないとね!」「イベントって感じがしないよなぁ」
「皆もう慣れてんなぁ」
「それも例外なく一年生までやねぇ」
「あんなに騒いでたのになぁ」
「そりゃあちょっとしたイベントの度に鈴が飛び回ってるもの、嫌でも慣れるもんよ。ね、鈴」
「仕方ないじゃん。飛んであれこれする方が簡単で楽なんだもん」
あの職員会議から一週間、体育祭までは残すところ一ヶ月とちょっとになったある日のお昼前、もう慣れた様子の皆の上空を飛び回っていた僕は、体操服姿のいつもの皆の元へと羽ばたかせていた翼を畳みながら着地する。
「だけどまぁ、無事に鈴香も体育祭に平和に参加出来るみたいで俺は安心したぜ」
「だいぶ強引な方法だったけどねー」
「本当よ。三つ目の団を作ったり、私達のクラスが入る青団に優劣意識の無い先生のクラスばっかり固めたり、解決方法が力技すぎるのよ」
「あはははは……さーちゃんの言う通りです、はい」
そう言うさーちゃんの目の前には、昨日まで居た業者さんにより作られた段々になっている見事先生と皆で成し遂げた力技の結晶である三つ目の団席がそこにはあった。
「でもまぁ、鈴やんも沢山の先生に連日絡まれて尻尾だるーんてなっとったしなぁ。発表会った時の先生達の顔みて結構スカッとしたんちゃうん?」
「事前に職員会議で言うと阻止されるからっていきなり全校集会での発表だったんだろ?天霧さんもだけど校長先生にその判断をさせる先生も良くやるよ」
「だいぶ裏で手を回したもんなー」
「ねー。まぁ僕がやったのはほとんど断り続けるのと先生に尻尾を堪能させて上げただけなんだけどね」
ちょっと悪い顔をしている隆継にそう言われ、僕はこの一週間の出来事をふと思い出し、楽しかったと言わんばかりに無意識に垂らしていた尻尾をピンと立たせ翼を小さくパタパタと動かしてしまう。
それもそのはず、先生の指示で僕達はこの一週間の間僕が他のクラスの先生達を引き寄せている間に隆継達がそのクラスの子たちから署名を集めたりと、暗躍モドキみたいな事をしていたのだ。
「でもこれで本当に上手く行くのかなぁ」
「団の組み分けとかもあるしなぁ」
「そこら辺は私達じゃどうしようもないし、先生に任せるしかないわね」
「せめて過激派が入らない事を祈るばかりやねー」
「こらそこー、ダベって無いで作業しなさーい」
「「「「「はーい」」」」」
ちょっとだけ残った不安について話し合いながらも、先生にそう言われ注意された僕達は大人しく散るのであった。
そして後日──────
「うっ……わぁ……」
「嘘でしょ……」
「三年の二組六組七組、二年の一組四組九組……見事に過激派がウチらのクラスがある団、青団に固まってるなぁ……」
廊下に張り出された三つの団の組み分けを見た僕達は、見事に偏った上に三つ目の団設立を台無しにするような組み分けを見て絶句していた。
「一体全体これはどういうことなんか、説明して貰えるんですよね?せーんせ?」
「うっ!そ、それはー……っとと、そろそろ授業始まるしこの話はまたお昼休みにでも──────」
「せーんせ?」
あ、先生居たのか。とらちゃんよく気づいたなぁ……
「うぅぅ……実は、組み分けは毎年くじ引きなんだけど、校長先生のくじ運って教員の間で話題になるくらい運が悪くてね……」
「それは……うん、まぁ、うん。なんも言えねぇ」
「でもどうしましょう?このままじゃ私達が意図的に負けるくらいしかもう手立てが……」
「とはいえ意図的に負けるなんて、普通の奴なら絶対に嫌がると思うけど……」
「「「うぅぅーん……」」」
皆、僕が先生達のマウントに利用されない様にって色々考えてくれてるなぁ……嬉しいなぁ。
でももうここまで来たら盤面全部ひっくり返すくらい無茶苦茶な第四の勢力でも出ない限り……
「……あれ?」
「ん?どうした鈴香」
「もしかしたら、何とかなるかもしれない」
皆が頭を抱え悩むのを前に、1つの作戦を思いついた僕はそう呟くのだった。
いやぁー……半月かかりましたね!
という事で読者の皆様、いつもお世話になっております。
ポケモンとウマ娘にうつつを抜かしていたこたつさんです()
更新ペース上げるとか言っておいて本当に申し訳ないです。
その代わりガチャ結果は散々な物でどんなゲームも天井迎えてるので勘弁してください。
筆が乗ってきてはいるので、今月中か来月頭ににもう一本は出せると思います!
さて、本編の話に移りますが次回からいよいよ体育祭がスタートです。
鈴香には色々な種目に出てもらうので、楽しみにしておいて下さい!
ではまた次回、お会いしましょう!布団を剥がされたこたつさんでした。