127鱗目:キャンプ飯!龍娘!
後書きにちょっとしたお知らせがあるので良ければお目通しくださいっ!
「でっきたー」
竈、かんせーい!
お昼ご飯の準備をすべく、とりあえず最初は焚き火だけでやるといいと柊さんに言われてた僕は、ちょっと苦戦しながらもなんとか悪くないサイズの竈を完成させていた。
いやー、たかだか石積むだけって考えてたけど意外と難しかったよ。これは次からグリルスタンド的な奴用意した方が良さそうだ。さて─────
「なんやかんや言ってもここまでは前座!本当にキャンプっぽいのはここからよ!という訳で薪になりそうな落ちてる枝とか探してこよっと」
確か乾燥してないと火がつかないから、できるだけ軽い物を選ぶといいんだったっけ?それと一緒にでっかいのと細いの両方拾うことも大事だって聞いたきがする。
「まぁ時期は夏よりだし、乾いた枝にはあんまり期待出来なさそうだ。とはいえ、枝を探すにしてもどんな風に探せばいいものか……」
あんまり離れてここを見失うのもあれだし、かと言って動きにくい森の中は進みたくないし……あ、そうだ。
「上流か下流に川沿いに歩いて枝を集めてみようかな?それなら動きやすいし、川沿いに動くからここを見失うことも無い。うん、完璧だ!完璧な作戦だ!」
そうと決まれば早速行くぞー!
「んまぁ翼で飛べば一瞬なんだけどね。いつもなら普通に飛んだりするけど、今更ながらキャンプ中はできるだけ人のできる事だけでやるのだ」
不足を楽しむのもキャンプの醍醐味って柊さんも言ってたしね!お箸を木で作るとか忘れたらやってみたい。
「っておぉ!なんだあれ!?」
拳を突き上げ意気揚々と出発し、今回のキャンプをやる上での注意点を再確認していた僕は、ちょこっとだけ上流へと向かった所で凄いものを目にする。
それは少しだけ川幅が広くなった所で、その川の真ん中にはどれだけの量の枝が流れ着いたのか、凄まじい量の枝が積み重なっていた。
「最初でっかい塊が見えたから熊かなんかの大きい動物かと思ったら、枝が山みたいに積み重なってただけか。よかったぁ」
流石に僕でも熊には勝てないし!勝てないよね?勝てる訳ない……よね?
っとと、違う違う。今はあの枝をについて考えよう。
「とりあえず近くまで飛んで様子をー……ってダメダメ。人ができる事だけでやるって決めてるんだから。となると必要なのはー……橋だね!」
でも木材とかないのにどうやって橋をかけるのって?
ふっふっふ!こんな事もあろうかと持ってきているのだ!そう!無人島に一つだけ持っていくならで僕が毎度選んでるコレ!
「のーこーぎーりー!」
これさえあれば木の確保、動物を仕留めることなんでもござれ!という訳で、こいつを使ってそこらにある硬いけど細い感じの木を切ってくるのだ!
そう意気込んでベルトにつけていたホルダーから僕はノコギリを取り出すと、そこら辺の良さげな木へと突撃するのだった。
その後数十分良さげな木との格闘の末結局切り倒すことが出来ず、諦めた際にコノヤロウと蹴った蹴りで木を折ってそれを橋にしたのは別のお話。
「さて!なんやかんやあったけど、薪も手に入ったしいよいよ料理を始めよう!」
とりあえず薪に火をつけようかな!
「ガスバーナーとかマッチとか、着火剤とか便利な物は色々あるけど、やっぱり男としてはこれでつけてみたいよね!ファイアスターター!」
唯一の懸念点は擦る時に力込めすぎてボキッていく事だけど……まぁお箸よりは硬いし大丈夫でしょっ!
「えっと確か、ロッドの方をこのちっちゃい奴の方で擦って火花を出すんだよね?んでそれを綿とか木屑みたいな火がつきやすい奴にー……あっ」
綿とか持ってきて……ないっ!ど、どうしよう……そうだ!ティッシュとか丸めたら上手いこと行かないかな?
火をつける道具を持ってきたのに火をつける物を忘れた事に気がついた僕は、そう思いつくとリュックからティッシュを取り出してそれを何枚か取り出すとファイアスターターを持って丸めたティッシュに向き合い、ただひたすらに棒を擦り始める。
「……これ、隆継が見たらシュールっていいそうだなぁ。いつっっっ……!尻尾の腹を地面で汚したくないからずっと上げてるけど、これ結構腰に来るなぁ」
いつもは尻尾下げてるし、動かない時は床とかにだらーんって置いてるからなぁ。それに部屋だとだいたい尻尾の付け根とかにクッション入れてるし……ってうおぉっ?!
「つっ、ついたっ!火がついたっ!と、とりあえず火を絶やしちゃいけないから……ティッシュ全部ぶち込むか!」
後はここに細い枝から入れて行けば火が安定する……はず。
「おぉ……!火がついた!」
そしたら今の内にまずは具材とかを刻んでしまおう!と言う所だけど……
「ふへへ、今日は楽しちゃうもんねー!栄養バランスなんて考えないもんっ!という訳で先ずはこれ!じゃがいもー!」
こいつをアルミホイルで包んでやってー……竈の薪の中にぽいっ!終わり!次っ!
「ぶっとい枝二本の間にアルミホイル巻き付けて……簡易フライパン!これを火にかけてー……そこにブロックベーコン丸々1つどんっ!そして卵をぱかっ!ふへへ、これはぜーたくですぜ……!」
じゅううううといい音を上げて焼けるベーコンと卵を前に、僕は食欲を抑えきれず垂れてきたヨダレを拭いながら、楽しみで尻尾をふりふりと揺らしてしまう。
そして待つ事数分、ベーコンにもいい感じに火が通った所で火の中からじゃがいもも救い出し、ベーコンと卵も火から上げて紙皿へと移す。
「さてさてそれじゃあお昼ご飯、いただきまーすっ!」
さてさてさてさて、先ずはやっぱりこれでしょう!
「じゃがいもの焼き加減はー……おぉぉ!美味しそう!」
このままかぶりついても美味しそうだ……でもここでひと手間!じゃがいもに十字の切れ込みを入れてー……そこにバターをどんっ!更に塩コショウもぱぱっとかけて少し待つ!
「そしてバターがいい感じに溶けて来た所をー……ほおばふっ!あふっ!あふあふっ!」
でも最高においしい!バターの甘さと塩コショウがいい感じ!じゃがいもはThe素材って感じだけどそれがいい!
「んくっ、んくっ、んくっ……ぷはっ!」
アッツアツのじゃがバターを口いっぱいに頬張り、キラキラと目を輝かせた後足と翼をぱたぱたさせながら何とかじゃがバターを飲み込んだ僕は、一気に水を飲んで口の中を冷ます。
「いやー、あちあちだった!でも美味しかったー!残りは少し冷めてから食べよっと。さて次は本命ですぜ……このブロックベーコン!」
丸々一本の状態のこいつの食べ方はただ1つ……!そう!
「丸かじりするのだー!」
とはいえ刺すフォークとかがないので……
「ふへへ、ナイフをフォーク代わりに行っちゃうぞ……!」
………………やっぱ怖いし、そこら辺の枝をこのナイフで削って串作ろっと。
ちょっとチキってやっぱりナイフで食べるのを辞めた僕は、そう考えると尻尾をしゅるっと伸ばしてスグ後ろの木から折って来た枝を樹皮が無くなるまで削り、それをブロックベーコンへと刺す。
「では改めて、いっただっきまーふっ!んんっ!」
やばい!超贅沢してる!美味い!肉だ!
「よし、次は目玉焼き!こいつはお箸でー……あれ?」
お箸も……忘れてた……
「……ふっ、仕方あるまい……削れぇ!」
そういやお箸も忘れてたという事に気がついた僕は、そう言ってベーコンに刺していた枝を半分に折ると、削って無い方の枝をガリガリと再度削り、出来上がった天然のお箸で目玉焼きも無事堪能したのだった。
読者の皆様こんにちは!
最近もふもふして来たこたつです。
今回もドラゴンガール楽しんでいただけたでしょうか?
いやぁ、最近は1年休載したとは思えない更新頻度で更新出来てて我ながら驚きです。
さて、本編では今回も鈴香ちゃんがキャンプしてましたが……もう1話だけ続くんじゃ。許しておくれ。あんなバトル風な展開で鈴ちゃんも疲れとるんじゃ。
ついでに日常回の方での小ネタが最近ネタ切れして来たので、もし感想等で「こういうのがみたいっ!」なんてのがあれば書いちゃうかもです「」
とまぁ本編についてはここら辺で、お知らせの方に移らせていただきます。
本日18時、このお話が投稿されて少し経ったくらいに新作「竜を求めて三千里!〜少女と竜の異世界漫遊記〜」という作品を投稿させていただきますっ!
内容としましては
ある日極北に位置する村に住んでいた二人の姉妹だった竜として目覚めたノートゥーンと、その姉ルシィーナがある目的の為に未だ全貌の分からない未開の世界を冒険者として旅する
というお話になっております。
戦いあり冒険あり、裏で動く怪しげな勢力ありと、私にしては珍しいガチのファンタジー物でありますが、12月中は毎日投稿していく予定ですので、良ければ読んで貰えると幸いですっ!
それと昨日誕生日でした!
長くなりましたがお知らせは以上となります!
年末でバタバタし始める頃ですが、これからもどうかドラゴンガール、そして新作の「竜を求めて三千里」の方もよろしくお願い致します!
良ければ感想や評価、ブックマーク等頂ければモチベにダイレクトアタックされるので、よろしくお願い致します!