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120鱗目:みんなの部活、龍娘

「いー……よっ!と、ふぅ」


 着いてくるストーカーこと1年生の追跡を振り切る為とはいえ、空高く舞い上がってそれから急降下!っていうのはやっぱり心臓に悪いなぁ……


 雲を貫いて物凄い速度で急降下し、土煙を上げて小さい方の中庭に着地した僕は、パッパッとスカートの裾を伸ばして乱れた服装を整える。


「丁度人も居なかったから着地したんだけど、確か茶道部って……」


「なんやなんやなんの騒ぎやー……って、なんやすずやんだったんか。また1年生に追われてたんー?」


 とらちゃんが所属してた部活だったなぁ。


「まぁねー……はぁ」


「ハハッ、お疲れやね。よしゃ!丁度点て始めたとこなんやし、ちょっと上がって一息ついていきー」


「ありがととらちゃーん。疲れてたから助かるよー」


「んっ!せ、せやね。ほれ、いらっしゃいませやでー」


「んぅ?まぁいいや、おじゃましまーす」


 休ませてくれると聞き、立てた尻尾を嬉しく振っていた事に僕は気が付かず、多分それを見て悶えた様子のとらちゃんに首を傾げつつちょっと狭い入口を翼を窄めて通る。


「虎白ちゃんおかえり。なんの騒ぎだったー……って天霧さん?!」


「ウチらのシンボルお目当てで入学してきたストーカー共に追い回されとったみたいでな。ウチがお招きしたんや」


「突然おじゃましちゃってごめんね?ちょっと休んだら直ぐに出ていくから」


「あ!いやいやゆっくりしていっていいからね!ほら、お菓子もあるよ!」


「丁度お抹茶点て終わりましたし、一息着いて行ってくださいねー」


「わわっ!ありがとー!ん、いい匂いー……」


 とらちゃん以外の茶道部のお淑やかで優しい部員さんにもいっぱいもてなされ、僕は少しだけ荒んでた心も暖かく癒されたのだった。


 ーーーーーーーーーー


「さて、それじゃあせっかくだし仲良い男組の方の部活先にも行こっかなー……ってあれ?」


 男組の方って……部活何してたっけ?


 茶道部で美味しいお菓子と抹茶、そして好きなお菓子や料理の楽しいお喋りでだいぶ時間を潰した僕は、比較的使われない人の少ない廊下を歩きながらそんな事に気がつく。


 少なくとも隆継は間違いなく帰宅部だけど、むーさんとか南君とかってどこの部活に所属してるんだろ?


「おーっほっほっほっほっほっ!」


「何事っ?!」


「翻すは金色の髪っ!響き渡るは我が美声!」


「ま、まさか貴女は!」


「そう!ワタクシこそ2年生における真の象徴っ!フランス人のクォーター!超絶美少女──────」


「誰だっけ?」


「ずこー!ちょっと?!貴女は一体ワタクシに何度名乗らせれば気が済みますこと事!?」


 ばっさぁーと長い金髪を手でかき上げ、僕が名前を尋ねた事で調子を狂わされたのか金髪ちゃんは何か叫びながら派手にコケたにも関わらず、直ぐに僕へそう言って来る。


「あ、思ったよりも元気そう」


「ふん!ワタクシ、貴女に心配される程ヤワではありませんわ。っとそうでしたわ。遅れましたがあの時は助けて下さりありがとうございました」


 あの時……?あぁ、雪崩の時か!


「いいよいいよ気にしないでー!えーっと……コスプレさんっ!」


「コスプレじゃありませんわ!それにこれは地毛ですわ!地・毛!」


「あはは、ごめんごめん。あ、そうだ!今さ、南君と武玄君探してるんだけどさ、2人がなんの部活やってるか知らない?」


「南さんに……武玄さん?あぁ、朱雀院さんの幼なじみの方と最近貴女と仲のいい方ですわね。その方達でしたら何方も部活には所属してらっしゃらなくてよ」


「あ、そうだったんだ」


「ふふん♪ワタクシの情報網を舐めないでくださるかしら?これくらいの情報、集めることなんて造作も──────」


「ありがとね!それじゃあ僕、皆探してくるからまたねー!」


「あっ!?ちょっ?!お待ちに!ワタクシの名前はー……あぁもう!」


 何かを言おうとしてた金髪ちゃんを他所に、必要な情報を聞き終えた僕は手を振りながらそう言って立ち去るのだった。


 ーーーーーーーーーー


 いやーでも、結構皆部活入ってるもんなんだなぁ……


 あれからいつものメンバー程ではないが仲良くしている他の友達の部活先へも訪れた僕は、色々な物を貰ったりおもてなしをされたりした後帰路に着いていた。


 何があったっけ、えーっと確か……


「テニス部にサッカー部、バトミントン部と美術部、漫画部に被服部に……ってここにも居たのか被服部?!なんと恐ろしい部活……!」


 まさか僕の友達にも潜んでいたとは……!

 でも皆楽しそうだったなぁ……僕も部活動入るのいいかもしれないなぁ……


「あ、でも僕人じゃないし、もしそれが許されたとしてもこの身体能力じゃ運動部系は無理だよねー。でも、うん。部活、いいかも」


 そう呟きながら眼下へと見えてきた我が家へ向かい、僕は急降下し始めるのだった。





どうも皆様こんにちは!

前の投稿から1ヶ月くらいかな?お久しぶりです!


さてさて、ドラゴンガール久々の新投稿なのですが、少しだけご報告を。

少し前より着手していたドラゴンガールの手直しが先日遂に全話分完了し、上書き投稿し終えました。

それに伴い、196鱗分あったお話も120鱗にまで統廃合の結果減りましたが、ボリューム自体は以前より増え、しれっと新しいお話や、内容がちょっと変わってたりとしますので、是非読んでみて貰えると幸いです!


では皆様、また次回お会いしましょう!

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