113鱗目:大掃除!龍娘!
「よし、それじゃあ皆、準備はいいね?」
「えぇ」「おうよ」「うん」
年末のある朝、マスクに頭巾姿の僕のその問いかけに同じ姿の皆がそう返事をするのを見た僕は、満足気にガサリと音を立て翼を小さく動かす。
「それじゃあ始めようか!大掃除を!」
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「ふんふふ〜ん♪」
「うーっす。こっち、終わったぞー」
「ん、お疲れ隆継ー」
「おう。つっても、元が綺麗だったからそんなに掃除する場所なかったけどな」
そりゃあ僕が毎週きちんと綺麗に掃除してるからね!
あの3人での外出から5日が経ち、梨奈ちゃんもお家へと帰った翌日、僕達は今年最後という事で大掃除に勤しんでいた。
「おーう。 ……にしても、やっぱ広れぇなこの家。ちゃんと掃除して改めて気づいたわ」
「そりゃあ僕が翼とか尻尾を自由に動かせるお家だからねー。というかそもそも隆継は普段からちゃんと掃除しなさい」
「はっはっはっ、それはまたそのうち。というかいくら応急的とはいえ、やっぱそれは気になるなぁ」
「仕方ないだろー?こうでもしないと埃被って汚れちゃうんだから」
そう言うと、僕はぷくぅっと頬を膨らまし少し大きめとは言え、僕が尻尾や翼を小さく動かすとカサカサと音がなった。
そう、今僕は汚れないようにと翼や尻尾を応急的に作った汚れてもいいカバー、と言えば聞こえは良いが大きなゴミ袋なんかで翼や尻尾を覆っていたのだった。
「まぁな……」
ん……?
「隆継?どうかしたの?」
「いや、その……静かだなー……って思ってな」
「あー……まぁ、ね。でも仕方ないよ」
そう言った隆継が、まだ流しで水に浸けたままになっていた梨奈ちゃん用のお箸を手に取りじっと眺めるのを見て、数日前の賑やかさを思い出し僕も寂しげにそう言う。
「長い間、梨奈ちゃんは病室から出られなかったんだ。どれだけ僕達に懐いていたとしても……やっぱり、お父さんお母さんが一番なんだよ」
そう……一番なんだよ、お父さん、お母さんが…………ね。
「……鈴香?どうかしたか?」
「え!?う、ううん!なんでもないよ!なんでも!」
「そうか?それならいいんだが……」
「ほら、さっさと掃除終わらせちゃお!」
「お、おう」
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「ふぃー、終わった終わったー」
「普段から掃除してたとはいえ、やっぱり埃がある場所はあるものね」
「でもまぁ、これで新年も清々しく迎えられるってもんだよ!ね、鈴ちゃん!」
「だねー」
僕は早い所シャワー浴びてスッキリしたいけどね。
あの後、僕達は再び掃除を開始したものの、やはりとても広い家なだけあって、ようやく掃除が終わる頃にはとっくに日が暮れ初めていた。
「そういや二人はお正月家族と過ごすんでしょ?いつ帰るの?」
「俺は鈴香達と初詣に行ってからそのまま帰るつもりだぜ。サナは?」
「アタシも隆継と一緒よ。4日には戻ってくるつもりだから」
「俺もそのくらいだな」
二人共意外と速いなぁ。
「冬休みもまだあるんだし、もっとゆっくりしてきたら?」
「まぁ確かに、せっかくの正月なんだから家族皆とゆっくりしたいって気持ちはある。でもな」
「アタシ達がこの1年過ごしたのはここ。アタシ達だけ楽しい思いをしてる間、大切な「家族」に寂しい思いはさせられないもの」
「二人共……」
暖かな笑みを湛えた二人の言葉を受け、僕はじーんと目頭が熱くなるのを感じた。
「にしてもほんと、今年は色々あったなぁ」
「本当にね。来年はもう少し静かに暮らしたいものだわ」
「う……善処します……というか、別に僕悪くないし!周りで勝手に色々起こるだけだし!不可抗力だし!」
「あはははははっ!さて、それじゃあそろそろお風呂も沸いただろうし、さっぱりしてからゆっくりと年を越そうか」
「「「はーい」」」
こうして、僕の多難だった1年を締めくくる最後の一日は暖かな中で過ぎていったのでした。
読者の皆様、今回も「ドラゴンガールを」読んで頂きありがとうございます!
しばらくおやすみを貰う前だと言うのに投稿出来なかったりして申し訳ございませんでした。
今回の投稿を最後に「ドラゴンガール」は少しの間投稿休止とさせていただきます。
とは言ってもこの作品が自分にとって大切な作品には変わり無く、今月末には戻ってくるような、そんな気がしていたりもします。
リアルで胃腸炎になったりと色々あっていますが、少しの間だけ待っていて下さると嬉しいです。
それでは皆様、またお会いしましょう!




