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無手使いの龍島戦記   作者: こーむー
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兄弟対決

僕達は敵陣に乗り込み、敵の大将を捕え、味方陣地に運んでいる。


敵将が近づいてきた。

「主を取り戻せ、さすれば褒美は思いのままだ」


(主人の命と褒美のどちらが大事なんだ?)

「コタロー!あの奸物の頭を飛ばせ!」


確かに姫の言う通りだ。でも、馬に乗ってるから手が届かないんだ。ん?タケゾーが肩車してくれたぞ。タケゾーの「怒り」が僕に伝わってくる。

(タケゾーその気力、分けてもらうよ)


タケゾーの気力を手の平に集め、「怒り」の気を欲の塊のような武将に叩き込む!


『虎砲!』


敵将の頭が、粉々に吹き飛んだ。タケゾーが膝をついたぞ!気力を使い果たしたか?


「ひっ」

敵兵達は、怯えて近づいて来ない。僕達は悠々と味方陣地に敵大将を連れて戻った。

本陣に着くなり、姫はうつ伏せに倒れた。

「確かに、届けたぞ!妾はちと疲れた。寝る!」

(姫は大活躍だったよ。うつ伏せにに寝てると踏まれちゃうよ)

「この娘はうつけだと思っておったが、実は違うな。キレ者かもしれないぞ。ただ、強いだけじゃない。天下の器を持っているかもしれないな」

(やっぱり、お馬鹿だと思ってたんだ。僕のせいじゃないですよね)


倒れてる姫はそのままに総大将同士が向き合う。敵将が口を開く。

「兄者。私は間違っていたのか?」

「わからん。ただ、今は四國が一枚岩になって、本圀からの侵略に備えるべきだとワシは思う」

「兄者、私と剣を交えてくれぬか?」

「いいだろう。外に出よう」


兄弟だったのか?四國?本圀?

「おまえの剣は軽いんだ。木を見て森を見ず、だ」

「兄者の言う四國統一よりもまずは身近な物を救うべきだ」

「ほお。おまえは救えているのか?答えよ!」

弟である敵は思い切り踏み込んだ一撃を放った。だが、やはり、兄の方が上手のようだ。その一撃を難なくかわし、弟の腹に刃が食い込んだ。


「この娘とその家臣を見よ!まさに一枚岩だ。お互いを思い遣り信頼し合う。それがお前には足らぬものだ。命を賭して戦う気概がおまえの兵にはないんだ」

弟は項垂れる。


「兄者、介錯を頼む。兄者に斬られたい。それが私の本望だ」


なんとも、哀しい戦いが終わった。

兵士達は勝鬨をあげたが、土佐領主は人に引き込み黙り混んでいた。


姫は倒れたまま、寝かせておこう。

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