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無手使いの龍島戦記   作者: こーむー
7/16

初陣 姫無双

合戦だ。初陣だ。でも、誰も緊張感がないのは何故なんだ。


合戦は、500人程度の小規模の戦いだ。

僕達は領主の側に付き添っていたが、合戦が始まっても出番のない姫が早くも飽きた様だ。

「退屈だな。領主よ。どうすれば、勝ちなのだ?」

「簡単に言えば、あそこの旗の下にいる大将を討ち取れば勝ちだ」


「そうか、なら行くか。コタロー!背を頼む」

「え?行くってどこへ?」

「あの旗の下に決まっておろう。行くぞ!」

姫は、ひとりで敵に突っ込んで行った。


(仕方ない。姫のお守りが我らの役目だ)

「アカツキは、姫の右。タケゾーは左を守って。トグロは、弓兵を警戒。僕は姫の背を守る。護衛兵は中央に位置にいて備えていてください」


姫は構わず、前へ前へと進む。姫の長剣は止まらない。槍を払いながら、敵を斬り裂いて行く。無人の野を歩いている様だ。敵が集まって来ても姫の長剣は止まらない。左右の護りも強い。流石に背に周りこむ敵はいない。


騎馬が突撃して来た。ん?姫が消えたと思いきや、先頭の騎馬兵に向け飛び上がり、馬ごと一刀両断。先頭の騎馬が倒れた後続の騎馬の動きが止まる。姫は何頭か騎馬を相手にしたが、興味がない様に通り過ぎる。残った騎馬はタケゾーが片づけて行く。


「タケゾー。深追いするな。姫を守るだけで良い」


焦れた相手は一斉に弓矢の攻撃をしてきた。

(まさか、味方ごと打つとは気が違えたか?)


弓矢を警戒していたトグロが叫ぶ。

「姫、剣を地面に刺し剣を立てよ!」

トグロは地面を蹴り、さらに剣を踏み台にして空高く飛び上がった。得意の小太刀で弓をはじから振り払う。

残りの矢はタケゾーの槍、アカツキの剣で残らず排除した。


「味方を射抜くとはなんたる悪漢。成敗してくれる」

姫は、弓兵に向かい駆け出した。

(姫!どこ行くの?そっちは大将いないんだけど!

姫は走るの速すぎるんだから、みんなついて行けないんだよ)

僕とトグロが辛うじて姫について行く。


姫は、弓兵を斬りつけている。ただ、単独で敵陣深くにひとりで攻め入っている。背がガラ悪だ。

「姫!危ない」


トグロが間に合った。背中を飛び蹴りしてそのまま、首に小太刀を刺す。その間に僕は姫の背と背を合わせた。

「姫!存分に暴れてください。味方を攻撃するなどあってはならない。姫は正義です」

「おぅ!感謝する」


逃げ惑う弓兵は無視し、弓兵の隊長に駆け寄る。

「お前か!味方と一緒に妾を射抜く命令をしたのは」

「ひぃ。上に命令されて仕方なく。助けてくれ!」

「言い訳は聞かぬ!」

ズン!


「さあ、行くぞ!今度はあの旗の下へ。はあ、はあ」

「姫。息が上がっていますが、大丈夫?」

「流石に疲れたわ!ただし、恩義は忘れるではない」

「行こう!姫。僕が姫を護る」


僕達は進む。敵本陣に向けて。姫はもうヘトヘトだ。

護らねば!

本陣近くの近衛兵は強い。姫は得意技の7連撃で近衛兵を蹴散らす。だけど、その技って隙が大きいよ。


姫!「ふっ」って残心してる場合じゃないよ。敵に囲まれているんだからね。僕は敵兵を投げまくる。


「コタロー!あの大将を思い切り投げよ!」

「はっ!」

敵将は剣を抜いて僕に斬りかかる。

疾い。僕は老師の籠手で剣を受け、剣を持っている腕を掴む。

「せいぃ!」

敵将は宙を舞いズドン。敵将は気を失った。


「よし、運ぶよ。土佐領主の元へ運ぶのよ!」






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