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真夜中の訪問者
草木も眠る。
とある世界でそんなフレーズ該当するに時間帯。
文字通り、魔城にいる全ての者が眠りについていた。
静寂を切り裂く轟音。
魔城の歴史において、かつてない緊急事態が発生した。
夜間の警備を担当する者は、布団を跳ね上げ飛び起きる。
ベットから素早く出よう。
そう思っていたのだが、実際は暖かい布団に未練を残しながら。
なんとか誘惑を振り切って現場に駆け付けた時、その場には既に
この城に招かれたゲストの数名が何者かと対峙していた。
「大丈夫ですか?
ここに来る途中で攻撃を受けていたために遅くなりました!」
聞かれてもいないのに、あえてそう伝える。
しかもその相手は「誰」と限定したわけでは無く
普段より少し大きな声で、不特定多数に聞こえるように発言をする。
これによって、自分に全く「非が無い」アピールが無事完了した。
ただ、残念なことに彼の事を気にかけている者が
誰もいなかったことは、ここだけの話として記しておくことにする。




