不毛な戦い
「百足兵団!」
召喚術によって歪な兵士が現れ、襲いかかって来る。
ランザはかろうじてその身を躱し、呪文を放つ
「境雷」
彼の魔法によって現れたのは、横に発生する雷の境界。
敵に召喚された兵士は、それほど知能が高くないのか
次々に境雷の餌食になっていく。
ただ、周囲を囲んだせいで、こちらも一時的に身動きが取れない。
そこに新たな敵の攻撃を受けた。
地面から突如生まれたツタが彼らの全身を拘束しようと蠢いている。
「土凍陣!」
なんとかツタの生命活動を停止させることに成功した魔王たちの上空に
新たな攻撃が降りかかる。
「豪落槍」
既に周囲を囲まれ、逃げ場がない状況だったが
ユリたちに「手を貸そう」という様子は欠片も見られない。
何故こんなことになってしまったのか?
この世界への悪影響を及ぼす元凶を取り除く。
その事に無理やり付き合わされた結果が、勇者狩りの標的という
現在進行形の不運。
その上、自分の力を熟知しているユリがいるせいで
適度に手を抜いてお茶を濁す。
という手段が使えないという負のオマケまで付いていた。
敵の最後の攻撃に対し、もう、これ以上はダメです!
アピールをしてみたものの、受け入れられるはずもなく
降り注ぐ雨のような槍の攻撃に対して対応するべく、魔法を放つ。
「鳳凰木陣」
放たれた言葉に呼応して、周囲の木々が鳳凰に姿を変える。
生い茂った枝葉は翼となり、地中深く張り巡らされた根は、鳳の尾となって
大空に羽ばたき、降り注ぐ槍を消滅させていく。
「生木だから、力にイマイチ不安が残るわね」
そんなユリの言葉にイラっとするが、言葉にできないまま
鳳凰は全ての槍を消滅させた。
この後、周囲を囲む魔王たちの攻撃が一時中断する。
雰囲気的にボスキャラ登場の流れだが
その時、ランザが最も気にしていた事は
数日後に控えた上客の予約に間に合うよう帰れるのか?
と言う事だった。




