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大人の対応
順風満帆、計画通り。
全体を知るただ一人の人物であるデティートがそう言うのであれば
他の者は特に何も言わない。
記憶を取り戻したイミリアが力を失ってしまった事も
その彼女の記憶の中に取り込まれた存在がいる事も
緊急避難的に魔獣に飲み込まれ、再び生還した五人の事も
現状のあらゆる全ての事が、デティートにとって
彼の計画通りに進行している。
「大丈夫、すべて計画通りです」
その場に集う者たちの視線を感じて、再び言い放った言葉の
「大丈夫」が不安を増幅させる。
この空間での「大丈夫」の価値は相当下がってしまったが
誰一人として、それを口にする者はいない。
これこそが、大人の対応というものなのだろう。




