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ちょっと違うけど生還
魔城の風呂場で酸味漂う液体を洗い流し
ゆっくりと湯船に浸かった四名の生還者。
汚れを洗い流し、体もリフレッシュする。
ただ一つだけ、風呂に備え付けられた獅子の口から湯が吐き出される
その彫像の存在が、彼らの心に影を落としていた。
スッキリした体と薄曇りの心境のまま風呂から出た四人は
部屋の前でモメているうずら達と、その傍で苦しんでいる蛇へと近づいて行った。
「でも、結局出れたじゃん。
そんな欠陥魔法使わないでよ!」
静かな城内に響いたのはイミリアの声。
その声に反応するように、蛇が何かを排出した。
「ごはん時の方は、ここから先はご遠慮ください」
突如放たれる未知なる声。
ただ、不思議なことに、そこにいる者は
誰一人として、その言葉を聞く事が出来なかった。
だが、蛇が排出したものには見覚えがあった。
生還に対する祝福を、そう思っていたが
せっかく風呂に入ってキレイになった四人は
少し距離を置いて、眺めるだけだった。




