見えざる攻防
少し変えています。
グリクの感じた先程の違和感は、自分が既に敵の思惑によって
操られている事を示している。
この状況を自覚してはいるものの、動揺は見せない。
そこで行われているのは、精神力の攻防。
弱みを見せれば、一気に制圧されてしまうだろう。
心の中に侵入した敵が見たのは、古い屋敷の門。
その門の内側には、一輪の花が咲いている。
この花がグリクの精神の核である部分だろう。
侵入者はそのあまりの無防備さに躊躇する。
罠?
簡単に侵入できたことに対する不信感と
グリクの名声が躊躇させた。
この判断が結果としてグリクに味方する。
警戒する賊の背後に突如現れたのは巨大な城壁。
これによって後退するよりも、前進しなくてはならない状況に追い込まれた。
ところが賊は、あえて城壁を砕き、脱出を試みる。
そしてその壁の中に潜む罠の存在をによって、ようやく自分の失態に気付いた。
仮に迷うことなく花を摘んでいれば、賊は目的を達成していただろう。
だが、グリクの隙に対する一瞬の迷い。
この迷いがこの戦いの優勢を五分以上にする。
あとは時間の問題、賊を捕獲しその素性を問いただすだけ、と思われていたが
傀儡師である敵の本体の能力は高く、完全な捕獲まで
しばらく時間がかかりそうだった。
応援を引き連れて現れたミリア。
倒れている師匠と見知った顔の職員。
状況がわからず、ただ動揺するばかりだった彼女に
「少し落ち着こう」
そう声をかけたのは、警備主任のケイビンだった。
二人の様子を見て、とても自分の手には負えない。
そう確信したケイビンは、ミリアに対して
「三花、もしくは六家の方に至急お越しいただきたい」
そう言った彼の表情を見て我に返ったミリアが
指笛を鳴らす。
するとそに四羽のウズラが現れた。
彼女はそのウズラを窓から放つと、やがてそこに四人の人物が姿を現す。




