79/116
報われぬ努力
サルダンのやる気の減少は、現在の状況に
これ、と言った変化を与えることは無かった。
与えたのは別の者。
デティートの視線の先に現れた三人の人物に異変が起こっていた。
トッチーの脇腹に刻まれた蛇の模様が、悪いものでも飲み込んだのか
本人に意に反し、意志を持ったように動き出す。
「おなかが痛いんです」
緊迫した場面で強がることなく本音を吐き出したトッチーに
デティートも、敵として対面した時に言おう。
そう心に決めていたセリフを、思わず飲み込んだ。
緊張で声が上ずっていないか?
トーンを落として、それなりの威厳が保てているか?
何度も練習し、この時に臨んだデティートの準備は
トッチーの純粋?
な一言に打ち砕かれる。
しかし、あくまで冷静に。
平常心を装ったデティートがトッチーに対して、話しかけた。




