ライフワーク
城門に近づくと、門を守る者がいる。
それは年老いた魔兵。
パルナがいた頃よりも遥か昔から
この城の門を守り続けていた。
若かりし頃は、この城も活気に溢れ
難攻不落の魔城、その門を守る強力な魔兵
と評判を呼び、勇者が訪れた際には対決を見るために
観客が集まり出店が出るなど祭りのような騒ぎだった。
やがて時は流れ、多くの城主がこの城を去っていった。
ある者は勇者に倒され、またある者は孤独に耐えきれず
城を後にする。
それから二百年、主不在の時が過ぎてゆく。
その間に城を守っていた魔物も徐々に姿を消していった。
門を守る彼も蓄えが底を尽き、このまま朽ち果てよう
と、その頃にパルナがこの城を訪れる。
城門を守りながら、夢うつつの世界を彷徨っていた老兵が
ふと顔を上げると、そこには懐かしいパルナの姿がある。
霞んだ目には、彼女たちが出会った頃のままのように
思い出補正されている。
「何者だ!」
言ってから家主だったことを思いし、平伏する。
これに対する彼女たちの反応も微妙だ。
今の立場は家主で侵入者。
このまま侵入すると、彼にとってのライフワークを奪う事になるかもしれない。
そんな思いが
「今日は侵入者としてやって来た」
と言う言葉を言わせるのだった。




