時代の流れ
魔王の時代じゃない。
その言葉を聞いて、パルナに寂しさがこみ上げてくる。
確かに今まで、大陸を制した魔王がいなかった訳では無い。
しかし、世界を手に入れた魔王は未だ現れてはいない。
少年、少女の憧れの存在の上位にいたのは遥か昔
世界を手に入れ、差別や争いの無い平和な世界の実現。
彼らの夢と希望が詰まった存在
正義の魔王として君臨する、そんな世界の平和を思っての行動も
「魔王」という偏見から色眼鏡で見られ、迫害を受ける。
行きつく先は、しがない辺境の古城で細々と暮らすか
人とのつながりを求めて街道沿いや、町、村などに城を構える。
そんな生活を送っているのを見て右下犬歯、ブチリも
抜けてしまったのだろう。
悲しい思いに包まれながらも、気を取り直したパルナは
残った三牙に指示を与える。
「みんな、聞いて!」
彼女の言葉に三牙に緊張が走る。
「私は今から、巡業に出なくちゃなんない。
だけど、この城も攻略予約が詰まってる。
そこであんたたち狼牙衆の出番だ!
この城を、がっちり守っておくれ!
但し、けが人は出すんじゃないよ、リピート率が下がったら困るからね」
これ以外にも、細かな支持をテキパキとこなし
後は頼んだ、と言い残して足早に城を出ていった。




