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一眼二瞳

付箋によってミリアの後を追うトッチーに続くスルクス。

ところが、トラブルは早々に訪れる。

「つっ!」

言葉と共に急激に速度を落とし、遂には止まってしまうトッチー。

追従するスルクスも同時に足を止める。

「何かありましたか?」

何もなければ止まる必要がない。

馬鹿な質問だ。

解ってはいたが、理由を知るためにあえて問うスルクス。

対するトッチーは、今までになく神妙な顔つきをしながら

「付箋が剥がされたようです。

それと、彼女を連れ去った者の目的は彼女の記憶に関係する

と言う事が判りました」

トッチーの使った付箋は、彼がミリアと出会ってから分かれるまでの間の記憶に

仕込まれたものだった。

外的な作用も精神的な違和感もない。

さらに言えば、彼女の記憶を探ってみても

付箋を見つける事が出来る者は、それほど多くない。

ところが今回の相手は、数少ない者の一人だったようだ。

「今回の件、私の手に余るかもしれません」

弱気な発言は、自分の力を過信しないという点では

仲間に迷惑をかけず、良いことなのかもしれない。

しかし今、二人しかいない現状では

なんとも頼りない発言だ、とも言える。

そんなトッチーが、少しお持ちください。

そう言って何かを呟きながら

二、三度瞬きをする。

すると彼の左目の瞳が上瞼の下へと隠れる。

本来ならそこには白目があるはずだったのだが

現れたのは、充血したトッチーの者とは違う瞳。

「こわっ!」

左右で異なる眼球と瞳を持つトッチーを見て

思わず声を上げてしまうスルクス。

右目では動揺するスルクスを

そして左目では酒樽と散乱した部屋の様子を見たトッチーが

何とも言えない表情をする。


キッズの卒業記念行事が滞りなく終わり、ささやかな祝杯を挙げた。

はずだったのだが、いつの間にか暴飲暴食

狂乱の宴になっていたようだ。

「ようだ」と言うのは、その時既に記憶が無く

意識が覚醒したのは、突然、目の前にスルクスの姿が現れたからだった。

「おおぅ!!]

突然の出来事に慌てて状態を起こす彼女。

はっきりしない意識の中で、寝ヨダレでぬれた頬を一張羅のマントで拭う。

そんな彼女の左目はトッチーの瞳と入れ替わっているようだった。

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