忙しい二人
力の放出によって巻き起こる竜巻の障壁は
衰えることなくスフィアの周囲を覆い
未だに彼の元にたどり着く事が出来ないまま
時間だけが過ぎてゆく。
ただ単純に、彼の力を弾き飛ばしてねじ伏せるのは
簡単なことだ。
しかし強引に突破すると、力の制御が出来ないスフィアの身に
危険が及ぶかもしれない。
全く面倒な事をしてくれた。
スルクスは内心、そう思いながら時間を浪費する。
そこに背後からトッチーが現れた。
もしや、新たな問題が起ったのか?
うんざりした表情のスルクスを見たトッチーも、さすがに申し訳なさそうだ。
「彼女は?」
あえて聞くスルクスに、事の顛末を話すトッチー。
彼は最後に
「念のため、彼女には付箋を使っているので
何かあればある程度、対応すると思います」
そう言って口をつぐんだ。
どうやら、こちらを早く片付けて
彼女の元へ向かわなければならないようだ。
「スフィアを封じる物はありますか?」
便利師トッチーへの問いかけに
「まるごとですか?」
と、聞いた彼へ頷きで返すスルクス。
「丸ごと飲み込んで、余計なことは後から考えましょう」
それを聞いたトッチーが左の脇腹あたりに施された模様に手をかざす。
すると二人の眼前に小さな蛇の姿が。
蛇は突如口を開き、竜巻もろとも全てを飲み込んだ。
「あ・・・」
スフィアと竜巻だけでなく、デティートと三人の賊を飲み込んだ蛇を見て
一瞬、声を上げたスルクスだったが、彼の口から出た言葉は
「じゃあ、次に行ってみましょう」
だった。




