傍観
誘いこみに成功した三人の賊。
追跡者の一人が初めて声を出した。
「そろそろだな」
三人の賊に緊張が走る。
計画が漏れていたのか?
追跡者の言葉を、そう理解する。
自分たちは罠にかかったのか?
現に、この場所に彼らの依頼主はいない。
追跡者の目的が、実は自分達だった?
だとしたら、先ほどの図書館での対応がおかしい。
この仕事の裏には、何かがあるようだ。
しかし、そんなことは自分たちに関係が無い。
面倒だが自分たちで片づけてしまおう。
その上で、彼らが気にしていたのは
追跡者の処分料を払ってもらえるのか?
と言う疑問。
しかし、依頼主がここにいない以上、当然タダ働き。
という、悲惨な結果に終わりそうだ。
バカバカしい。
普段はバラバラのように見える三人だが
こういう点では、相談もなく考えが一致する。
万が一、話の通じる相手では無かった場合に備え
警戒態勢をとりながら、スフィアに話しかける。
『このまま引いてくれないか?
そうすれば、知っているすべての情報を渡そう』
その言葉は、三人が同時に放っていた。
所が、追跡者で言葉を発した人物。
バーネロが、スフィアに対して何か仕掛けているようだ。
賊の三人は、そんな追跡者二人を傍観しながら
自分たちの今後の行動を思案していた。




