彼の中の序章
バーネロがこの世界に召喚され、自分のいた世界での力を
使う事が出来なくなり、周囲に悲観する同類が多く存在し
その上、力を求める者たちの標的となって逃げ惑いながら
他の者たちと同様に、再び力を回復する手段を探す。
みんながやっているから、自分も・・・。
先駆者の実績があるから、それを応用して・・・。
この世界に召喚された魔王たちの思い。
それは、かつて自分がいた世界への帰還。
ではなく、力を取り戻すこと。
本来の力を取り戻しさえすれば、この世界を自分のモノにできる。
かつていた世界は、既に自分の手中にある。
変化の無い平穏な世界に戻るよりも、新たに知りえた世界の統率を。
そんな考えを持つ魔王も多かった。
帰郷派、征服派。
そのどちらも、自分の力の回復が前提条件だ。
所が、一部の魔王がその流れから外れていく。
その中の一人がバーネロだった。
少し長い前置きだったかもしれない。
結果、彼は魔王を刈り、力を得た者たちの力を奪う方法を発見する。
それを行う事で、対象者の魔力を球として抽出し
その球を体内に取り込むことで力を得る事が出来る。
彼はそれを「魔球」と名付け、密かに
球を取り込み続けていた。
順調に力を蓄え続けるバーネロに思わぬ事態が起ったのは
手に入れた力が大きくなるにつれて、ぬぐい切れない不安が
大きくなっていった、そんなある日の事。
始まりは、幼い少年スフィアとの出会いだった。




