42/116
追跡中
三人の賊を追跡するのはスフィアとバーネロ。
二人の追跡は上手くいっているようだ。
ただ、バーネロは落とされた首が完全に回復していないようで
動きが少しぎこちない。
しかし、その事で賊に気取られる、という失態は犯していない
という自負があった。
撤退した三人がどこへ向かっているのか?
それを突き止めることで、この世界で公然の秘密
となっているグロリオサの、深淵を知る手掛かりとなるかもしれない。
そんな微かな期待の反面、そんなに簡単に手掛かりを得ることが出来たら
興ざめだな。
賊が目的地に着くまでに、相反する妄想を膨らませながら
追跡を続ける。
『めんどくさいなあ』
賊の一人、ルンケア少年は心の中で思っていた。
それは自分たちを追跡する二人の存在に対する思いは
自然と表情に現れる。
これを瞬時に察知したバッファが動揺し、薬袋に手を伸ばす。
自分たちの仕事は、スフィアの誘導。
余計な者が付いてきているが、バッファを悩ませるのは
敵の存在でなく、身内の癇癪だった。
目的地まではあと少し。
心の中で、何事も無いように祈り続けた。




