分かれた大陸、砕けた王冠 13 「思いつき」
ハンナリの話によれば、この世界で魔王の存在は
その擬態などの有無にかかわらず、他の世界に繋がる何かを
纏っているのだと言う。
その繋がりがあることで家紋ら紋章による能力の開放が可能となっている。
ちなみにこれは、他世界の魔王かどうかの判定がではなく
他世界の力を使う事が出来る魔王か?
という判定を行っている。
もし、自分の世界との繋がりを失った場合は、その限りではない。
俗にいう魔王狩りで対象者が死亡した場合は、魔王だったかは不明。
というわけだ。
ここまでの話を聞いて自分の元の世界との繋がりを再確認したマスカーが
二つ目の疑問を口にする。
「繋がりが見える、と言う事は解った。
しかし、その後の三千人と言うのはどういう事だ?」
その疑問に再びハンナリが説明を始めた。
自分の目に見える他の世界との繋がり。
それは纏っている量でその力の大きさが解る、というのだ。
基準となっているのはハンナリの纏っている繋がりの多さ。
自分が人間と戦闘を行った際、何人までなら倒せるかを目安にしている。
この能力で、今まで出会った自分より力を持つ魔王との戦いを回避してきた。
話を聞き終えたマスカーが。
「その能力を、私の為に使ってくれないか?
私はこの世界の魔王を、全て元いた世界に帰したいと思っている。
その為にその力を使ってほしい」
部屋に来た時の態度とは違い、ハンナリに頭を下げるマスカー。
召喚されて特に目的の無かったハンナリは
深く考えずに了承する。
この日から、二人の魔王は仲間を集め始めた。
自分たちの故郷へ帰るために。
その願いに共感するのは、魔王だけではなかった。
家紋を習得して、この世界を制覇しようとする存在を
元の世界に送り返す。
この世界が闇に包まれることを恐れた人間にも、協力者が現れる。
彼らは人目につかないよう仲間を集め続ける。
ある時、マスカーが思いついたように言った。
「我々の結束の証として、この組織に名前を付けよう」
ほんの小さな思い付きからつけられた名前がグロリオサだった。




