本物
「こいつは一体、どういうことだ?」
爆音と共に現れた三人の男たち。
その中の一人が、図書館での惨劇を見て思わず声を上げる。
体格が良く、赤ら顔の中年。
その中年、バッファに対して答えたのは、一緒に現れた少年ルンケアだった
「ダブルブッキングでしょうか?
ギノールさんはどう思われます?」
少年がギノールに対して「気を使って」話しかけた。
そこに第三者がいれば、そんな風に見えたはずだ。
ところが、これに対するギノールの答えは
「知らんし」
というそっけない返答。
どうやら二人の間は上手くいっていないようだ。
投げやりな返事にルンケアの表情に苛立ちの表情が浮かび上がる。
幾度となくこんな二人を目の当りにして、三人の中で最も体格の良いバッファの
表情が曇る。
そんな彼の彼の右手は、既に薬袋へと延びていた。
二人に気付かれぬよう、常備薬である精神安定剤と胃薬を摂取する。
すると、すぐに薬の効果が現れた。
それは自己暗示にも似た、ただの思い込みだったのかもしれない。
でも、それでも良い。
バッファは、不穏な雰囲気を醸し出す二人に
「まあ、細かいことは解んねえが、とりあえずいこうや!」
明るさMAXで話しかける。
この空気を変えたい。
そんなバッファの頑張りにルンケアが
「ですよね」
なんとなく、任務の達成に向けて頑張る。
という雰囲気に乗ってきた。
ただ、ギノールだけは、自分からは動かないが
協力しないわけでは無い。
という雰囲気を醸し出している。
この微妙な空間に運悪く現れたのがスフィアだった。




