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妄想
国家の運営する図書館に大量の賊が現れる。
通常であればあり得ない事態に、図書館の警護に当たっている者たちは
困惑する。
警護としてその任に当たってはいるものの、迷惑な利用者の対応でさえ
辟易していた彼らがそれ以上の脅威である賊に対して
成す術もないだろう。
そこに現れる救世主的存在。
スフィアの描いた物語には健闘空しく敗れ去る警護の存在。
敵の存在に対して、六家から派遣された者たちでさえ
その力のを前に傍観するしかなかった。
このままでは、国家の運営する図書館が蹂躙され
保管されている淵源の書を奪われてしまう。
そこに現れた人物。
彼はその日、たまたま図書館に立ち寄っている。
その偶然が賊にとっての不幸の始まりだったようだ。
英雄スフィアの自叙伝には、そう記されていた。
その物語をさらに読み進めると、彼の力によって
百人にも及ぶ賊を撃退することができたようだ。
だが、残念なことに、この戦いに関しての詳細な攻防は割愛され
彼の力によって、賊を退ける事が出来た。
という記載がされているだけだった。




