温度差
スフィアはトッチーの要望に応えるべく、ゆっくりと話し始めた。
そこでの彼らの役割は、敵の存在を感知したら
すぐにスフィアに報告する事。
万が一にも敵と戦わないで欲しい。
スフィアの中で、敵の討伐は誰の力も借りずに行う。
そんな美学、を持っていた。
トッチーやスルクスにとって、最も難易度が高い要求。
賊と交戦せず、賊の侵入をスフィアに報告し、スフィアの到着まで
その状態を維持する。
要するに、賊が侵入したら、スフィアが来るまでしばらくお待ちください
と言って、待たせれば良い。
特別な能力や熟練の技など必要の無い簡単な事。
あまりにも簡単すぎて、六家やそれに連なる組織が取り合わず
最終的に下請けの龍涎堂から派遣されている。
スフィアはそんな些細な依頼をした自分に負い目あったのだろう。
これがトッチーの存在に寛容な理由だった。
改めてスフィアの要望を聞いたミリアは
この難易度に言葉を失う。
そんな彼女を横目にトッチ-が
「ってことは、賊が現れたら
スフィアさんに伝えて、スフィアさんが来るまで待ってもらう。
ってことですよね」
ようやく解ったのか。
そんな表情をする腰巾着。
だが、言葉を発したのはスフィアだった。
「簡単な依頼で申し訳ないのですが」
そう言いながら、改めて四人の表情を確認するのだった。




