分かれた大陸、砕けた王冠 6 「現れた者」
魔方陣の中心に現れた者が、サーナダを認識する。
外見はほぼ人間と変らない姿だが、纏っている雰囲気が
人間のそれとは違うことは、施設にいた全ての者が感じ取っていた。
やがて魔方陣はその輝きを失い、後に残ったのは
この世の者ではない存在が静かに立っている。
不意にその者が口を開いた。
「どうやら私が当たりを引いたようだ」
耳で聞いた音が、脳に届くまでの間に人間に言葉に変換された
そんな違和感を感じたサーナダは、むず痒い、という感覚を覚え
思わず耳の穴に指を入れて搔いてしまう。
こんなことは、もしかして自分だけなのだろうか?
ふとそう思って周りを見渡してみると、彼の視界に入る
老若男女全てが、耳をほじほじしている。
それどころか、魔方陣から現れた者さえも同じ動作をしていた。
「人間というのは変わっているな。
異なる世界の常識とはいえ、一応、挨拶は済ませた。
そろそろ、我々を呼び出した者と話がしたいのだが?」
その者が、再び言葉を発した時には既に違和感が無くなっていた。
ようやく落ち着きを取り戻したサーナダが
「呼び出したと言われれば、それは恐らく私でしょう。
しかし、あなたの先程の言葉
当たりを引いたとか、我々を呼び出したとか
いくつか解らないことがあるんですが?」
それを聞いた「現れた者」は、驚いたような表情をする。
ただ、それはすぐに消え、いまの状況を説明していくのだった。




