勇者討伐
かくしてユリポラwith Rは世界に仇成す不埒な勇者の討伐に向かう。
この時、Rの頭の片隅には、自分を不採用にした恨みをここで晴らしてやる。
と言う思いと、もしかして彼らを追い詰めることが出来れば
万が一負けたとしても、組織への勧誘があるのではないか?
などとほのかな期待を抱いていた。
そんな三人が、いよいよ勇者バエイブの領地に侵入する。
ただ、侵入といっても特に何かしら「罠」的な物や
警備などの姿も見当たらない。
時折すれ違うのは、恐らく下請けの魔王たちなのだろう。
同業者と思われているのか、会釈する者や軽く手を挙げて通り過ぎる者ばかりで
勇者を討伐に来たのかもしれない、と言う発想は無いようだ。
異世界からの来訪者で、強大な力を持ち、多くの魔王を従えている。
まあこれだけの条件が揃えば、よほど変わった者でなければ
敵対しよう、と言う発想は無く
共存してその恩恵を授かろう、と考えるのが普通だった。
俗に言う、正義は勝つのではなく
勝つから正義だ、と言う考え方によって警備も護衛も配置しないバエイブに
側近が苦言を呈したことがあった。
それは、万が一に備え、せめて身辺の警護だけでも配置されては?
という意見に対する彼の返事は
「必要ないよ、だって俺、強いんだもん」
だったらしい。




