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悲しき存在
何とか団の攻撃を全て退けたランザ。
さすがに疲れの色が見え始めていたが、ユリはお構いなしに
先に進むよう、指示を出した。
そんな彼女に対して、ランザが反抗を試みる。
ただそれは、目に見える反抗ではなく彼の妄想世界での話。
妄想に中で彼は、ユリを思う存分虐げることにした。
そんな雰囲気を察知されたのだろうか?
先程までの命令口調とは違った感じで話しかけてくる。
「あなたには申し訳ないと思っているわ。
でも、この世界に来て何もわからない私たちにとって
あなたに出会えたことは、幸運だった。
いいえ、貴方だったから、幸運だったのだと思う。
今はまだあなたの助けが必要なの」
彼女の真っ直ぐな視線と共にそう告げられ
先程までの不満もどこへやら。
「ん・・。
まぁ、俺がいる限りはこの世界で
あんた達を危険な目に会すことは無いよ、安心しな」
魔王としての習性なのだろうか?
頼りにされて、おだてられてその地位に就き
厄介事を丸投げされる。
つくづく魔王というモノは因果な存在だなあ。
と思った日だった。




