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エルナ・セルゲード

訪問していただきありがとうございます。

はぁあ~…。どうして来ちゃったかなぁ~…。

あ。どうも、またしてもタメ息ではじまってしまってすみません。

登城して、現在7日目です。やっと、家に帰れる日です。たった7日間なのに、すでに1か月はたってる気がします。大袈裟だと思いますか?

この1週間どれだけ私が大変だったか、語らせたら1日では終りませんよ。

あの日契約したのをいいことに、ともかく下着数着と普段着数着、寝具数着を鞄に詰め込み登城させられ、王様と王妃様、皇太子様が待っている謁見の間に連行され、王妃候補の侍女の一人になってほしいと言われ…。侍女長に挨拶したとき、小説の中で私の侍女になっていた彼女…エルナ・セルゲードと遭遇したのが、一番最初の衝撃だった。

そうあの小説の中で…このエルナは、身分は貴族の中でも高く、次期宰相の婚約者なのだ。小さな頃からエルナは次期宰相であるロナウドと婚約者であった。本来であれば、『私』が婚約者になったとき、『私』の侍女となり、次期宰相であるロナウドの心がマリアにとらわれているのに嫉妬し、『私』と共にマリアに陰湿な虐めを行うのだ。


だが…現実は、マリアの侍女になり、その評判がおもわしくないとの事だった。エルナの性格は、本来の小説とあまり変わらないようだけど、私は、マリアの事を憎いとは思っていない。あの謁見の日に、少しだけ話をしたが、流石、ヒロインとでもいったらいいのだろうか…。憎めないし、皇太子がヒトメボレしたり、ロナウドが心をとらわれてしまうのも頷けた。いまの段階で、ロナウドがマリアに対して恋心があるのかは、わからないが、エルナがマリアに対して嫉妬をしているような雰囲気が周りの習知としてあるなら、ロナウドも小説通りなのかとも思う。

「それにしても、やっぱりお前、面白いな。」

などと、暢気にのたまってる皇太子殿下め。幸せそうな顔しやがって!リア充爆発しろ!

「面白がらないでください。私は、平凡に生きたいだけなのです。」

ちょっとイライラした口調でいっちゃうけど、不敬罪には問わないって皇太子様に言われたし、いざとなったらすぐやめてやるって宣言してあるもんね!

「ごめんなさい。ロゼリア様、私のせいで…。」

「いえ、気にしないでください。後、私に様づけは必要ありません。マリア様。」

にっこり笑うと皇太子から俺とは態度違うなと苦笑いを頂いた。

だって…マリア様、かわいいんですもの。何度も言っちゃうけど、流石ヒロイン!こんな魔窟で王妃候補として頑張ろうと思える心を尊敬しちゃう。

「でも…。」

「マリア、あまり考えこむな。こいつが言うように、堂々としていればいい。」

貴方に言われたくはありませんけどね。なんて言葉を飲み込みながらロナウドの顔をちらりとみると、僅かだが微笑んでいた。

「それでは、そろそろ時間になりますので、また明日の夕刻に。」

「はい。ありがとうございます。宜しくお願いします。」

ぺこりと頭をさげるマリアに対して、思わず苦笑いをしてしまう。

「マリア様、私がお願いした事、守ってくださいね。」

「あ、はい!わかっております!」

「なんの事だ?」

皇太子が不思議そうな顔で私を見る。ロナウド様は、相変わらず眉を潜めて私を見る。

「乙女同士の秘密ですわ。」

朗らかに私が言うと、マリア様もコクコクと頷く。

私が城から1日でもいなくなるのは、この状況を考えたらあまり良いことではない。でも、私はずっと城にいるなんて、身が持たない。だから、魔力をつかいマリア様に害をなすことのないようちょっとした仕掛けをしておいたのだ。この仕掛けは、もっても1日だし他の人に知られてしまうと少し効果が薄れてしまうので、マリア様との二人だけの秘密なの。だから…そんな目で私を見据えないでよ!ロナウド様…!


話が動きだします!

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