泪のわけは
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「じゃあ、この場を御借りして事をはっきりさせようか。」
…というか…これってどういう状況でしょうか?
ちなみに、ここは謁見の間。ちなみに、ここには王様、王妃様、皇太子様、マリア様、宰相様、ロナウド様がいらっしゃいます。ああ、もちろん父と私も。
いや…何故に王族御一行がいらっしゃるのですか!?なにこの公開処刑のような状況は?!
「はい。」
久しぶりにみたロナウド様は、相変わらずの麗しさ。でも…少し以前と顔つきが変わったと思う…。なんというか…男らしさに磨きがかかったというか…。出会った頃の危うさが消えていた。
「ローズ。言いたいことがあるんだろう?聞きたい事があるんだろう?ちゃんと…。話をしなさい。」
こくんと頷きロナウド様の真正面にたつ。見上げなければ目をあわすことができないからしっかり目線をロナウド様とあわす。
「お久しぶりです。ロナウド様…。」
「お久しぶりです。」
私を見てふわりと笑うロナウド様は、なんというか…半端ないかっこよさです。というか…。騙されませんよ!私はっ!言いたいことがあってこんな所まできたのですから!
「なぜっ!…何故…まだ私と婚約中と言うことになっているのですか?」
興奮した口調を改め途中から落ちついて質問をもちかける…。感情的になったらダメだ。
「あ、…えっと…。」
というか!なんですかっ!その反応はっ!?
「申し訳ありません…。どうしても…何か繋がりが欲しかったんです。…貴女を手離したくないんです。貴女との婚約を解消してしまったら、貴女にこの国の貴族、他国の王族や貴族からの婚約話が舞い込むことでしょう…。すでに、貴女の身分は、この国の貴族に知られているのですから…。他国にしても、アルザムとの一件により、情報が伝わっていることでしょう…。それは私にも言えることですが、私は貴女以外の誰とも今後婚約を結ぶ気はありません。だから…私は陛下にお願いし、貴女との婚約をそのままでお願いしました。」
「勝手です!そんなっ!酷いっ!」
「わかっています。すべて私の我が儘です。」
「私に好きな人が出来たら…。いたらどうなさるつもりなんですかっ!?」
「!!!!!い、らっしゃるのですか…?」
「いるって言えたら先に言ってますっ!」
ああもうっ!感情的になったらダメなのにっ!!とまらないよ~っ!
「あのっ!それにっ!何故こんな皆様の前で恥ずかしい思いをしなければならないんですかっ!?」
私の一言に私達の言い合いを見学していた王族御一行と宰相様、父が苦笑いをして、陛下が一言、すまなかったな。と言って皆さんを連れだって謁見の間を離れてくれた。残されたのは、私とロナウド様のみ。二人っきりはそれはそれでいたたまれないけど、あんな公開処刑みたいな場面よりは羞恥心が少ないからいいとしよう。
「…どうしても、貴女がいいんです。貴女でなければダメなのです。」
「…他に…いると思います。もっと…ロナウド様の事をしっかり支えてくれて…ロナウド様の事を愛してくださる女性がいるはずです!」
「それでも、私は貴女がいいんです。ロゼリア様。貴女に私を好きになってもらいたい。私を愛してほしい。そのために、私は私の出来ることをします。ですから…私以外に…これは考えたくありませんが、貴女が本当に心から愛する人が出来たら、私との婚約を解消してください。私は受け入れます。ここに…血判を押し書類にしてあります。どうぞ…。貴女が私との婚約をいつか知ることになった時のためにつくっておきました。」
!!!なっ!!!?なんで笑顔なのっ!?なんでそんな淋しそうに…それでいて楽しそうに笑ってるの?!というか…なんでっ…もうっ…!
「泣かないで下さい…。貴女になかれたら…。どうしていいか、わかりません…。」
ふわりと、ロナウド様の腕の中に私は囲われていた。泣きたくないのに…泪がただただこぼれ落ちていた。
終わらなかった!ヤバイ!つめこめなかった!
次回、最終回のはずっ!はずっ!⬅頼むから最終回の方向で!
最終回の場合は、まとめて更新してあります。⬅切実に希望。




