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父の告白

訪問していただき、ありがとうございます。

マルカおばさん(正確には、城に勤め始めた次男マシューさん)によると、ロナウド様の新たな婚約者が城下にいるという事で、深交のない他国からくる、我が国の貴族、王族を新たな婚約者にという要望を全て断っているらしい。というか、城の中では、私がまだロナウド様の婚約者という立場らしい。


……なにそれっ!!きいてないよっ!


急ぎ足で家に帰り父にその事を話すと父も唖然とした表情に変わる…。が、そうか…だからか…。と小さい声で呟いた。

「何かあるんですか?」

「いや…。その…さっき送ってもらった手紙なんだけど、当然…彼方クリストファー様からの手紙もついてくるのだけど、その…なんといったらいいか…。ローズの事についても心を配ってくださっていて…。ロナウド様との事についても書いてあるんだよ。」

なんですって!?

その手紙、ちょっと読ませて下さい。といって、父の部屋に行き、小さいタンスの引き出しからクリストファー家より届いた手紙を開いた。


『先日、息子が家に帰ってきまして、ロゼリアさんとの1件を聞きました。主人にも伺ったのですが、この件にかんしまして、ロゼリアさんにご迷惑おかけして申し訳ございません。ですが、ロゼリアさんさえよければ、今のまま…御願いしたいと思います。もちろん!馬鹿息子ロナウドが嫌だということでしたら、いつでもおっしゃってください。』


「なにこれっ!」


思わず叫んで、取るものも取り合わず、手紙を握りしめ父の部屋から飛び出た。ローズ!と、父が呼んだのが聞こえたが、止まってられない。厩舎にむかうその足を寸前で止めたのは父だけど、私は我をわすれて動揺を隠せずに気持ちが高ぶったまま父に怒鳴っていた。

「だって!私に気持ちをわかって貰うっていってたのに、勝手よ!酷いわ!狡い!」

「彼も必死なんだよ…。私もここまで彼がするとは思っていなかったけどね。」

苦笑いで父が私の頭をなでつける。私は、興奮が少しおさまりつつあった。

「お父さん…。」

「少し…母さんの話をしようか…。」

父が突然言い出した。

「城に行ってロナウド様に言いたいことあるんだろう?その間に話がつきればいいけど。」

そう苦笑いで私をみた。私が城に行ってロナウド様に物申したい気持ちをくんでくれた父の気持ちが嬉しかった。


いつものように宿屋を手伝いに来てくれたおばさまたちにお願いをして、私と父は、家の馬車に乗った。手綱は父がもっている。


「速いものだね…。母さんが…。セレスが…亡くなってもう…7年か…。」

「うん。…。」

静かに優しく父が話を始めた。ロナウド様でと二人で何度となく通った道。いつもと変わらぬ風景。カタコトと馬車は進む。

「ローズに話したことはあったかな?私とセレスの出逢いから結婚に至り、ローズが生まれるまで…。」

「少しだけ、話してくれたわ。お母さんが…。亡くなる少し前に…。でも、お父さんの身分の事は、話してくれなかった。」

「そうか…。ちょっと恥ずかしい話になるけど、聞いてくれるかい?」

私のほうを向いて優しく微笑みながら訴える父に向き合い、私は、コクンと頷いた。

「どこから話そうかな…。」

照れたように、首筋をかきながら優しい視線で私を見つめた。




前向けよ!と心の中で最大の突っ込みをしております。

というか…。かなり最後の方書き直ししました。


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