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手紙と日常とまさかの展開

訪問していただき、ありがとうございます。

結局…あの後、父に事の成り行きを説明し、ロナウド様からの手紙が我が家に届く事を伝えた。


しばらくして…ロナウド様からの手紙と共に、なぜか薔薇の花が1輪一緒に贈られてきた。しかも色は赤。城のバラ園のものを思い出したけど、手紙には、ご実家であるクリストファー家の温室で育てている薔薇だと書かれていた。そういえば、1度だけ宰相様に連れていかれた時に、薔薇が花瓶にささっていた事を思い出した。薔薇に罪はない。手紙にも当然罪はないが、どうにも処分に躊躇われる。薔薇を食堂の花瓶に一輪さしたら、すごく浮いた。周りの花瓶にささっている花は、高級ではなく、シンプルで野山によく咲いている花だから、薔薇をさした花瓶だけが…いや、花瓶もシンプルなので薔薇だけがかなり浮いている。父も、そこをみて苦笑いで合わないね…。と一言言ったので仕方なく、薔薇は、シンプルな野山の花に役目を譲り、私の部屋の花瓶へ場所をうつした。結局、私の部屋でも花瓶がシンプルなので、すごく浮く。でも、ここ以外においても浮くので仕方ない。薔薇とちがって、シンプルなロナウド様からの手紙には、城で王妃様にお小言をいただいた事が書かれていた。もちろん、皇太子様とご一緒に…。というか、今現在も、王妃様とマリア様から、皇太子様には厳しい目線で、塩対応しているらしい。陛下とロナウド様は、1度のお小言で終わったらしいけどね。…ふっ。殿下、御愁傷様です。早速王妃様とマリア様にお手紙書いておくってしまいましたよ。ええ。あまりの嬉しさに。


「ローズ。手紙を出しにいくのかい?ついでに悪いんだけど、これも一緒に御願いできるかい?」

「うん。いいよ。…。」


宛先を見て、ちょっとだけ躊躇った。そこにはロナウド様の実家の場所が書かれていた。父に聞いたところによると、クリストファー家の方々が宿に泊まられた後に、お礼の手紙が送られてきて、食堂と宿屋で使うために我が家が育てている野菜や果物を購入したいという事が書かれていて、それから今でも週に1度、何か必要なものがあるか手紙でやりとりしているそうだ。それは、クリストファー家からの要望であり、決して父が押し売りしたわけではない。考えてみると、私も父も、クリストファー家からの要望を受けているなと…。似た者親子だなと…やはり思ってしまう。

「御願いします。」

手紙を郵便でおくってもらうように託して帰ろうとしたとき、不意に声をかけれた。

「ローズちゃん!久しぶりだねえ!元気そうでなによりだけど、お城でのお勤め終わったのかい?」

「マルカおばさん。お久しぶりです。」

マルカおばさんは、私の家を手伝ってくれていたレスターおばさんの妹さんだ。この街の町長を代々している家に嫁いで、長男と次男、長女を産み、育て上げた。長男と長女は、確かすでに結婚していたはずだ。長女が確か二十歳、次男がロナウド様と同じ二十二歳、長男が二十四歳だったと思う。

「マシューに聞いたんだけど、大変だったみたいだねえ。」

「あ、いえ。大丈夫です。」

マシューさんと言うのは、次男で、長男に何かあった場合町長を継ぐ予定な人なので、長男同様、国の学校に通っているとレスターおばさんに聞いていた。そして、城勤めをし始めたとも…。もしかすると、どこかで会っていたかもしれないけど、いかんせん顔がわからない。その次男について聞かれても答える事は、出来ないだろうから困るなあ…。

「でも、お父様も寂しくなるねぇ。ローズちゃんがお嫁にいっちゃうなんて。家のマシューをローズちゃんにお勧めしたかったけど、あのロナウド様がお相手じゃ話にならないからねぇ。」

「え。」

いえ、あの、それってどういうことですかああああ!?



裏で外堀埋められてるっていうやつです。



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