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晩餐会とガゼボ

訪問していただきありがとうございます。

いやぁ…優雅だねぇ…。流石、城の晩餐会。会話の邪魔にならない程度の生演奏とかさー…。城下でたまにやってる吟遊詩人とちがうね…。食事も美味しかったし…。今は、ゆったり談笑中です。ま、主に陛下とアルザムの王女、王妃様とアルザムの宰相様で話をしている。お付きの侍女と従撲は、流石に同じ席にはついていない。少し離れた所で、座っている。

衛兵が王にそろそろ時間と言うことを告げ、王が王妃様と共に大広間を去る。宰相様がアルザムの王女と宰相様に部屋まで送る事を告げると、場所は解るので大丈夫と断り、変わりに侍女達に食事をさせてほしいと懇願されたため、宰相様が侍女達をつれ広間を退室した。音楽を奏でていた宮中楽団も、楽器と共に退室した。残されたのは、私、皇太子様、ロナウド様、アルザムの王女ナーシア様、宰相オーウェン様だ。ナーシア様がロナウド様に秘密裏に手紙を渡していたことを実行にうつすとしたら、私は邪魔だろう。そのための隠密達の行動だったのだろうけど、隠密達は、今は牢の中にとらえられている。どうやって私を害する予定だったのかは、私が王妃様の所できせかえ人形のようにされていた頃、すでに尋問が行われて、その答えを殿下は知っているはず。どうするのだろう…。

「ロゼリア、マリアの事が心配だ。一緒に来てくれないか?」

「え、ええ。もちろん。」

いきなりの殿下の言葉に戸惑いを隠せない。殿下の言葉にナーシア様は、驚きつつも喜びを隠しきれない表情をしている。それはそうだろう。この後、ロナウド様をガゼボに呼び出しているのだから…。


私が席を立ち、ちらりとロナウド様を振り返りながらみると、殿下が私に聞こえる程度の小さな声で、大丈夫だ。このまま、広間をでるぞ。と告げた。私は、その言葉に従い殿下と共にガゼボが見える小さな一室に身を潜めた。そこには、すでに父がいて、父には魔力の鎖が腕に巻き付いていた。魔力の鎖は、ガゼボへと伸びておりその先には隠密が立っていた。

「どういう事ですか?」

不満げな声で殿下に問うと殿下が苦笑いで私をみた。

「そう怒るな。ロナウドも承知してるのだ。そなたの父上にも手伝ってもらっている。」

みればわかりますっ!

「そなたの父上は、私が指示した訳ではないぞ!率先して手伝うと申してくれたのだ。」

「…そうですか。無理矢理でないのならいいんです。」

「ローズ、お前だけを危険な目にあわせたくないのだ。」

お父さん…。ありがとう。ごめんね…。

「見ての通り、隠密は、魔力で拘束されているから動くことはできない。そこに王女が来たらどうなると思う?」

どうなるって…。驚くだろうし、隠密がそこにいて、王女がいて、ロナウド様が来たら…王女が困ることになるだろう。

「それは…困るでしょうね。あちら側が…。」

「そうだ。この際面倒だから鉢合わせさせて、後は向こうの反応待ちにしようという結論に至った。隠密を切るというのであれば、それでいいし。隠密を守るというのであれば、それ相応の対応をしなければいけないからな。」

殿下が話を終えた時、ナーシア様がガゼボにやってきたガゼボの中に隠密の姿を確認しざまに叫んでいた。

「何故、ここにいるの!?貴方の仕事はロゼリアとかいうぽっと出の王妃の姪を害することよっ!!」

「どういう事ですか?」

ロナウド様の冷たい声が私達の所まで届いた。ナーシア様が驚愕の表情で振り向いてロナウド様をみすめたまま固まっていた。唇が震え、まぶたには沢山の涙が溢れそうになっていた。



いつもよりちょっと短くてすみません。


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