なりきってやりますとも
訪問していただき、ありがとうございます。本編に戻ってきました。
あー…。なんで私、こんな格好してるの?コルセットとか無理でしょ。世の中のお嬢様達を尊敬するよ…。マリア様も王妃候補になりたてのころコルセットが苦しいって言ってたけど、理解したわ。
「どうかしたの?ローズ。」
「いえ…。なんでもありません。王妃様。」
う、うーんと、王妃様…いや…ロゼット様が咳払いをする。王妃様じゃないでしょ。といいたげな眼差しだ。この茶番劇とも呼べる偽婚約者生活が始まったとき、遂に私の身分がお城の重鎮の皆さまに披露され、私は侍女という身分から、王妃候補の話し相手というよくわからない身分になり(魔力コントロールの仕方をまだ教えてるけど)、マリア様にも私の身分がばれて驚かれ、キャロルさんと侍女長なんて、腰をぬかしてたもんね…。今まで行ってた侍女の仕事が出来なくなり、王妃様にも、話し相手として私は支える事になった。1週間に1度家に帰る事はかかさないけど!
「コルセットは、慣れよ。マリアも、慣れたでしょう?」
「はい…。世のお嬢様達を尊敬します。」
クスクスと王妃様が笑う。義理姉様にそっくりね。と私の知らない母の想い出を王妃様が話してくれたときは、若い頃の母と私の性格というか資質というかが似ていて嬉しかったけど…。
「それにしても、ロナウドも見る目があるわね。なんであの子には、こんな素敵な娘じゃだめなのかしら?あ、マリアが嫌っていう訳じゃないのよ?あの子は、意外に王妃という立場が合うと思うわ。貴女のお陰でもあるけどね。」
マリア様の王妃教育を手伝っているときは、侍女としてお城に来ていたし、マリア様付きと言うことで王妃様に会う機会もなかった。マリア様は、王妃様と毎日のようにお会いしてかなり仲良くなり今後良い嫁、姑関係となりそうで一安心だ。
「いえ…。」
「あの子との婚約をなかったことにしてほしいって3人で言いにきたあの日が懐かしいわ。もう半年もたってしまうわね。」
王妃様は、私がこのよくわからない立場になってから私を公然的に呼び出せるのが嬉しいらしく、本当によく呼び出されるし、色んな大切な事を教えてくれたりしている。貴族や王族に必要なスキルは、無駄にもっていたので、社交ダンスの先生がレッスンを1度でお役御免になったのには、王妃様も苦笑いだった。ちなみに、私の所に来てくださった先生は、マリア様に社交ダンスを教えている先生なので、職をなくしてしまったわけではない。17年間、普通に平凡に暮らしてきたので、貴族や王族に必要な事は習得していないと思われていたみたいだけど、我が家には無駄にスキルの高い父がいるんです。母からも亡くなるまでは、色んな事を教えてもらったし、教育にかんしていえば、スペック高いなと思うけど…。
「そうですね。」
副音声で早く終わってほしいけど…。という言葉を飲み込んだ。というか…。あの契約書はどうなるの?!…今って私…ロナウド様の(偽)婚約者で侍女じゃないのに!…でも…。そうか…。アルザムがこの国にくるのが明日ですでに契約終了期間が間近じゃない!アルザムにさっさと帰ってもらって私の平凡で普通な暮らしを取り戻さなきゃ!
「さ。明日は、いよいよ決戦よ!準備はいい?ローズ。」
「はい。ロゼット様。」
王妃様が満足げに、うん、うん。とうなずく。
「ねえ。ローズ。ちょっと前から気になっていたんだけど…。」
なんでしょう?と問うと王妃様が私の首もとを指差す。瞬間的に頬が熱くなるのを感じるが、これは偽りだと自分を戒める。
「ロナウド様にいただきました。なんでも…ロナウド様のお母さまのお母さまからの贈り物だそうで…。」
大切な人にあげろって言われたそうだけど…。そんな大切な物偽婚約者に渡すなんて…。負けられないわ!!!なりきって見せますとも!
負けられない戦いがそこにある!
ロナウド…残念なイケメン(笑)




