約束の書
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変な所で親子をはっきさせないでくださいよぅ!泣きますよ?いい加減、泣いていいですか?家を開けっ放しにする事が多いんだから、帰ってあげましょうよ。家に帰らなくていいのかと問うてみれば、なんでしたら次回からロゼリア様が我が家に宿泊されては?と言われたわ!全力でお断りしましたよっ!なんで私がマリア様の王妃教育を1週間に1度休んでるかわかっておられないんですか?なんでしたら、貴方様のご子息に頂いた血判おみせしますよ!……あれ?ちょっと待て?……あれ?私、ちゃんと後数ヶ月でお手伝い終わりですよね?!あの約束の書、書き直してもらった方がいいかしら?…そうよね。明日城に帰って速攻、一筆書き直していただかなきゃ!
「まぁ!ジュレッテ!ありがとうございます。宰相様!」
「いえ。喜んでいただけて何よりです。そちらは、いろいろな味があるのですね。一番人気のものを、買って参りました。」
「なんだか、申し訳ないです…。もとはといえば、私の事を思ってロナウド様がフランシーを持ち帰ってくれたことが始まりですのに。」
「安心するがよい。すでに以前より、城で働く者にも、同様に土産を持ってきている。実は、父上が一番楽しみにしておるのだ。」
「まぁ!陛下が!?」
暢気な会話をへし折っていいかな。
「あのぉ~。宜しいでしょうか。皇太子様。」
「何だ?」
「これ…以前、ロナウド様に一筆頂いた契約書なのですが、変更がこうじておりまずよね?書き直して、捺印をいただきたいのですが…。」
「お。これが、噂の血判か!」
はははっ!って、笑いすぎですよ。殿下。私にとっては死活問題なんです!平凡に普通に暮らしていく上で大切な契約書なのです!
「これか…。」
宰相様…も…ご存知でしたのね!大丈夫ですよ!城にはちゃんと捺印する印があるでしょうから!血判なんてさせません!私だって、別に血を見たい訳じゃありませんからね!
「よし。少し待て。執務室に行ってくる。」
「はい!では書き終りましたらこちらと交換ということで。」
「うむ。抜けめはないな。やはり。」
「当たり前です!」
皇太子様が宰相様と共にマリア様の部屋を出て今この部屋には、マリア様と私、キャロルさんの3人。
「あの…ローズ…?」
「はい。なんでしょうか?」
「先ほどの契約書とは…どういったものなの…?」
「はい。あれは私がこちらにあがるさいの条件をしたためたものです。あのときは、実家に先触れもなくクリストファー様がいらっしゃいましたので、印もお持ちではなく…仕方なく血判をいただいたのです。」
「それは…1週間に1度、実家に帰られるという内容のものね。」
「はい。それです。」
「変更って…どのような?」
「あ。肝心な事をお話するのを忘れていました。マリア様の王妃教育のお手伝いですが、後数ヶ月で終わる事になりました。」
「「えっ!」」
マリア様とキャロルさんの声が重なる。そもそも、1年間限定という事での契約だったけれど、エルナの件で短くしてもらう交渉に成功したから、後4ヶ月ぐらいだ。後4ヶ月位で城を去る予定な事を告げるとマリア様が寂しい!といって私にしがみついてきた。その時、扉を叩く音がして、マリア様の部屋の扉が近衛兵によって開かれた。
「何故、泣いているのだ。マリア。」
ちょっと待て!誤解だからね!言い訳ぐらいは、させてくれますよね?!皇太子様!
「いやです!後4ヶ月だなんて!ロゼリア様にはもっと色々教わりたいのっ!」
気を抜くと私の事ロゼリア様って言っちゃう、ヒロインの魅力半端ないわ!
でも、おねだりされても絶対いやなの!って、そんな顔でみあげないでぇえええ~!
ロナウド様は何処…。⬅出番じゃないだけです。




