早期引退
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「そうは言ってもなぁ。罪と言えば、罪だが、お前が気がついていたとして、マリアとなんでもないことや、ロゼリアの家に宿泊していることを、エルナに納得してもらう以外手はないであろう。」
その通りなんですよね…。いくら、なんでもないとロナウド様がエルナに説明した所で、エルナが納得しなければ、どうにもならなかった事なのだ。そもそも、婚約者なのだから、信用していればいいのではないだろうか…。
「そうですが…。エルナが婚約者だと言うことは、常々伝えておりましたが、結果的にエルナがそれに納得をしていなかったのです。それが問題だと思うのです…。」
めんどくさいな…めんどくさっ!
「めんどくさい性格だな…。おい、ロバート、どうする?ロナウドがどうすれば納得する?」
王様!まるなげ!まさかのまるなげ!ちょ!笑いが込み上げるよ!
「そうですね…。…私のしている仕事の半分をそろそろ自分一人で回す…というのはどうでしょう?今現在、見習いという感じで宰相の仕事を一緒にやっておりますが…。」
「ふむ…。なるほど。…もしや、ロバート…。お前、宰相を早期に譲るつもりか?」
「息子のでき次第ではありますが、出来れば私は、隠居し、妻とともに今まで出来なかった余暇をはやく過ごせればと思ってはおります。」
ちょ!宰相様!しれっと何引退宣言しちゃってるんですか!陛下も羨ましそうな顔しないのっ!
「父上…そのような羨ましそうな顔をなさらないで下さい。申し上げておきますが、まだまだマリアは王妃候補として、魔力のコントロールや王妃のすべき事、行儀やダンスなど、色々なことを勉強している最中です。早期引退は、できかねます。」
「む…。」
羨ましげに陛下が宰相様を見る。ロナウド様の罪について話をしていたはずなのに…。
「そういう事で、どうだ?ロナウド。今よりも忙しくなるのは確実であり、責任も今までの比ではない。失敗するなど、許される事ではない。内に外によくめをむけ国民の声をきき、王に提言し、王を支える…。宰相という立場は、簡単ではないぞ。」
「わかりました。自分だけで宰相の仕事をやります。」
「よし。最初は私に1度すべて書類をみせよ。それで不手際があったら何度でもやり直しをさせる。いいな。」
「はい。お願いします。」
やっと話がまとまったみたいですね。ロナウド様が忙しくなるということは、私の送り迎えも出来なくなりそう…?
ひゃっふーーーーーーい!!
小躍りしてもいいですか?!顔がにやけてしまいます!どうしよう!
「ロゼリアも、そういう事でいいな。」
「へっ。はいっ!もちろんです!!」
「ロゼリア様、ご迷惑をかけ、申し訳ありませんでした。」
いえいえ。そう言った所で私が疑問に思っていることを聞いてみる。
「あの…。陛下、殿下。」
「「なんだ。」」
どっちに聞けばいいかわかんないから、両方に聞いておこう。
「お伺いしたい事があります。」
「なんだ?申してみよ。」
あ、陛下が答えてくれるのね。
「あの…今まで私が家に帰るさい、…ロナウド様に同行して頂いておりましたが…。どうやらお忙しくなるようなので、他の方に同行をして頂くことになるのですよね?」
うー…心の中ではロナウド様呼びしてたけど、実際呼んだの初めてだぁ…。なんとも居心地悪いよぅ…。
でも、私の言葉にロナウド様は目を見開き呆気にとられていた。私が初めてロナウド様呼びしたこと、気づいてないのかな。ま、いっか。これでやっと平凡に毎日がおくれるぅーー!!
「うむ…。そうなるな…。他の者にならざるをえないな。」
「では、私が息子の代わりにロゼリア様を送りましょう。」
って!宰相さまああああ?!
ロバート様(宰相様)がすきです。




