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悲痛な叫び

訪問していただき、ありがとうございます。

予約投稿の日にちをすっかり間違えてました!

本当であれば、16時に投稿してたはずなのに!


「殿下…。ロナウド様っ!」

歓喜の声は、ロナウド様と共にいる私を認めた瞬間、次に放つ声に影が潜んだ。

「なぜ…ロゼリアがいるのですか?なぜ…私がこのような所に呼び出されないとならないのでしょうか?」

眉間にシワを寄せ、不機嫌なのをも隠さず、ロナウド様の隣に立とうとする。

「エルナ。お前に逢わせたい者がいる。」

そう言って皇太子が牢屋の壁をたたくと、部屋の壁がクリアになり部屋の中が見えた。そこには、公爵、ルーファス、ニルスの姿があった。

「お父様っ!ルーファス!ニルス!」

不機嫌だったエルナの表情が驚愕した表情に変わった。

「殿下!なぜ父が牢の中に!我が家はこの国の三大貴族です!このような所に入れられる理由など、ありません!」

エルナが皇太子に詰め寄る。皇太子の表情は、読めないが、皇太子の横に立つロナウド様は、眉をよせ、顔をしかめていた。

「ロナウド様!どういう事なのでしょうか!」

「理由は、こちらの牢を見ればわかる。」

皇太子がそう言いながら、向かい側の牢の壁をたたくとそこには30人の南の村の男達が疲れたように座り込み、大半が項垂れていた。その中でも、私達に説明をした男がとこともなく、こちらに顔をむけていた。男の顔を認めた瞬間、エルナの表情が変化した。体も奮えている。ロナウド様がエルナに手を伸ばそうとして、それでも戸惑いながらエルナの体に触れる事はなかった。

「すでに、この者達と、公爵家の間で、とある契約がなされていた事は、明白だ。」

エルナの顔は、すでに血がかよっていないような色をしていた。

「セルゲード公爵家、長女エルナ・セルゲードに問う。お前は、この契約が執り行われた場に、いたな?」

同じ様な場面が小説の中にも、あったなと…不意に思う…。ただ、私は断罪される側だけど。

「…この女がいけないのよ!平民のくせにっ!不敬を承知で言うわ!殿下も殿下よ!平民を王妃にするですって!?なにを馬鹿な事言ってるの!?私達、王家に遣える三大貴族が何故平民にかしずかなければいけないのよ!あんなっ…平民に何故っ!」

「お前に、マリアの何がわかる…。」

怖いです。皇太子様が怖いです。

「まったくわからないわ!でも、私は三大貴族として頑張ろうと思っていた。…でも…ロナウド様があの女に好意を抱いているのに気付いた時…私は、あの女を廃除しようとしたわ。だけど…そこのロゼリアに邪魔されて出来ずじまい…。ロナウド様の気持ちがあの女から離れつつあることに気づいた時、別の気になる事が出てきたわ。ロナウド様がロゼリアの家に泊まっていると…。私の邪魔をしたあげく、平民ごときがロナウド様を…。」

「だから、ロゼリアを廃除しようとしたのか?」

「そうよ!何が悪いの!?私はっロナウド様の婚約者なのよ!」

「エルナ…。私は…。お前を女性として見てこなかった。婚約者だとは理解していたが、政略結婚など珍しくもない。女性として見ていなくとも、妹のように家族のように思っていた…。だから、この先、添い遂げる事に不満などなかった。マリア様に心を引かれたことは、認める。だが…それは次期王妃を目指し、懸命に頑張っていたからだ。女性として心を引かれた訳ではない。エルナに誤解をあたえるような事になってしまった点で、このような事態に陥ったのは私にも、責任があり、私は罪を認める。私の処分は、王からしてもらおうと思っている。そして…今回の事で…もうエルナ…君との婚約は、破棄されることになるだろう。」

本当に…悲痛な叫びの様な声だった。小さな頃から決められていた婚約者同士…。家族同然になることは、当たり前だろう…。痛ましいロナウド様の言葉に現実を理解したエルナは、その場に崩れ落ち…乾いた笑いをはっしていた。




コメディじゃない…。やばい。

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