真実薬
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「殿下…ロナウド殿。どうされたのですか?急なお越しですね。」
目がチカチカするような部屋だなぁと感心するけど、私だったらこんな部屋で暮らせない。
「ああ。急い所をすまぬ。公爵に聞きたい事があってな。先ほど執事のルーファスがコイツに『うまくいったか?』と問いただしていた。ルーファスは、契約の話だといった。どのような契約なのか公爵の了承を獲ることができないと、話をする事ができないと言われた。公爵、そなたに問う。契約とは何だ?」
どうするのだろう…ロナウド様の無表情も怖いけど、殿下の似非笑顔も怖い。しらばっくれても、こちらには証拠がある。
「契約…。ですか?申し訳ありませんが、私にはなんのお話しか、わかりかねますな。」
!!!!!
ルーファスと呼ばれた男と、殿下に魔力で束縛されている男の目が開かれた。まさか…まさか、棄てるの?
「そうか。では、ルーファスの独断で、何かを契約したという事になるな。」
「ええ…。そうなりますな。」
「ヴォルス様!!!」
愕然とした怒号のような…悲鳴のような…声だった。棄てられたのだ。多分ではあるが、ルーファスという人は、若い頃からここにいるのだろう。執事という立場は、そんなに簡単にあたえられるものでは、ないだろう。
「ルーファス、私の了承も得ず、何を契約したのだ?」
なのに…なのに…。
また…自分の怒りで魔力が膨れ上がりそうになる。とめなければ…。
「私は!貴方様に人生の半世を捧げてまいりましたっ!ここにいる弟のニルスもセルゲード家の為、必死に働いてまいりましたっ!なのに!」
ルーファスの憤り、怒り、嘆き…魔力が膨れ上がる。ルーファスが弟と言った背の高い男は、殿下に魔力を押さえられているから娼館ではなった魔力を使う事は出来ないのだが、怒りが表情にでているし、体が奮えている。
「私達を見捨てると言われるのですかっ!」
「なにを言っている…。…申し訳ありません。殿下…。監督不行き届きですな。正直に話せ。ルーファス。」
「貴方に言われて、私は!ロゼリアという侍女に危害をあたえる算段をつけたのにっ!南の村の男達の所へ貴方も一緒に行ったではありませんか!!」
公爵の表情は、まだ変わらない。逃れられると、思っているのだろう。
「いったい…どうしてしまったのだ。ルーファス…。」
今の現状では…逃れてしまう…。ひどい…。ひどい…。
「セルゲード公爵。」
少しの沈黙の後、殿下の声が部屋に響く。
「はい。なんでしょうか?」
「そなたの潔白を証明するために、これを飲め。」
殿下が懐から、小さな小瓶をとりだした。…その瞬間、徐に公爵の表情が変わり、魔力が膨れ上がった。
「潔白ならば、これを飲んでも大丈夫であろう?」
にっこり笑う殿下が怖すぎます。ロナウド様と同じぐらい怖いです。おかげで、私は膨れ上がった魔力が小さくなりました。
「真実薬…です。」
ポツリとロナウド様が言った時、魔力を膨れ上がらせていたルーファスの魔力が一瞬にして小さくなった。
「殿下…ロナウド殿、私の言う事を信用していただけませんか?」
「信用しているからこそ、飲んでもらいたいのだ。」
皇太子殿下にここまで言われて、拒めるのであれば本当にすごいと思う。
「わ…かりま…。」
公爵が手にとった瞬間、パリンと小さな音がし、小瓶が割れていた。
「おや、割れてしまいましたな。申し訳ありません殿下。これでは、飲む事ができませぬ。」
にやりと公爵が唇の端をあげる。それに対抗するように殿下もにやりとしたままいい放った。
「問題ない。その指先についている液を舐めるだけでよい。それだけで真実が証明される。」
今度こそ逃道がない。そう思った瞬間、強い魔力が放たれた。公爵が放った、強い魔力が…殿下へ向けて…。
くーーーらーーーいーーーー
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