ロゼリアの交渉
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「これは、重要な事だが、仮に、男の依頼が成功したとして、報酬は、どのように支払われる事になっていたんだ。」
「…それはお頭しかしらねえ。」
「そうか。わかった。こいつしかしらないのであれば、目覚めて貰うしかないな。」
皇太子様が目線でロナウド様に指示をする。ほうっておいたら多分目覚めるのは、明日あたりであろう。ロナウド様が魔力を使い、失神していたお頭を無理矢理意識がある状態に戻した。
「うぐっ…。」
「おい。お前、聞かれた事に対して正確に答えろ。こいつを襲った事は、覚えているな?それが成功したとして、お前は、依頼してきた男からどのように報酬を貰う手筈だったのだ。」
「ここは…どこだ?お前、誰だ。」
おいおい…いくら今強制的に意識を戻されたといえ、王家の馬車を襲ったのはわかってるはずだよね?
「私は、皇太子だ。お前が交渉したロナウドは、次期宰相だ。」
「なっ!!!」
お頭と呼ばれた彼は、今の今になってやっと状況がつかめたみたいだ。
「答えろ。どういう手筈で報酬を貰う事になっている。」
「…繋ぎ役が娼館にいる。そいつを娼館に連れて行くことで報酬金を貰う手筈だった。俺達に仕事を紹介するのも、そんとき話すといっていた。」
「そうか。雇い主に会うためには、その繋ぎ役が重要なのだな。」
「ああ、そうさ。」
どうするのかしら?これは、私が狙われてる状況だけど、このひと達を罪にとったとして、依頼した主がのさばっていたんじゃまた今後も同じような事は続くだろう。
「ロゼリア、ものは相談なのだが…。」
いやな感じしか否めないのはなぜでしょう?続く言葉が予想できるけど、この予想は外れてほしいわ。
「なんでしょう?」
「どうして、お前が狙われてるいるのか、理由は定かではないが、お前が今後も狙われる可能性がある。…コイツらは罪に問うのは当然としても、依頼主が罪に問われない限りまた同じような状況が続くだろう。」
はっきりいいなよ!もうっ!
「私におとりになれと?」
ふっと皇太子様が笑う。
「さすがに、心得ているようだな。」
貴方の考えそうな事ですからね!!!
「おとりになるのは、かまいません。…ですが条件があります。」
「なんだ?申してみろ。」
「却下しないでくださいね。後、怒るとか…。」
わかってる。と皇太子様がつぶやく。本当に本当だとも、念をおされた。私を理解していただいているようで、なによりです!では、遠慮なく…。
「お妃教育のお手伝いを後2ヶ月で終了させて下さい!」
「「は?」」
「マリア様のお手伝いがいやなわけではありません。仲良くしていただいておりますし…。ですが、マリア様の覚えがよろしいので、1年という長い期間でなくとも、魔力のコントロールがちゃんとできるようになると思います。私は、基本的な事を教え、後はキャロルさんでも大丈夫という所まで習得していただくよう、マリア様にも頑張っていただくかもしれませんが…。」
マリア様の能力は、やはりヒロインだけあって、しっかりしてるし、意欲もある。本当に上手に使いこなすには努力が必要だけど、そこはヒロイン、努力してなんぼだ。
「確かに、マリアの能力は高い。意欲もあるし、だが、さすがに後2ヶ月でお前にここを離れられるのは、正直きつい。」
「ですから、そこをなんとか…。だって私、今から危険なめに、あうかもしれないのですよね?」
にっこり笑って皇太子様とロナウド様をみると二人とも困っていた。
「それは…そうだが…。さすがに後2ヶ月とは…。」
「では、3か月では?」
「せめて、1年を半年で!後5ヶ月でどうだ!!」
半年かぁ…まあ、そこが妥協点かなぁ。
「仕方ありませんね。…後5ヶ月で手をうちましょう。…ですが、わかっていらっしゃいますよね?もうだめだと私が判断した場合は…。」
「ああ、途中でもやめていい。」
よっしゃ!絶対ですからねぇ!
サブリーダー誕生日おめでとう!