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事情聴取

訪問していただき、ありがとうございます。

「それで?」

「この、気を失なっているのが、頭だそうです。少し魔力を強く放ったので、目覚めるのにしばし時間が必要でしょう。」

「そうか。」

ちょっと!そうか。ですませる訳じゃないでしょうね!?バカ王子!!ロナウド様も、少し魔力を強く放ったですって?!本当に少しなら失神までしないわよ!少し気を失うのは仕方ないとしても、城に着く前に目が覚める程度が少し魔力を強くっていうのよ!加減って言葉を知らないの?!

「とりあえず、話を聞ける者に話を聞きましょう。」

「そうだな。…誰かどうして王家の馬車を狙ったのか、話をしてくれるものは、いないか。」

ここは、城の牢屋だ。牢屋というと暗くてじめじめしてるようなイメージがあるが、ここは、普通の部屋だ。だが、捕まっている山賊だか盗賊達には、窓もなく壁が真っ白な空間に見えているらしい。まあ、普通の部屋に見えていたとしても、窓は小さく、割っても人が通れるような大きさではない。

「お、俺がします!わ、わかる範囲でいいのなら!」

「よし。話をしろ。」

「は、はい!お、俺達は皆、南の村のもんです。南の村は、作物もうまくそだたねえし、城下に出稼ぎに行く奴らがほとんどで…だけど、教養もない俺達がいい仕事につけるわけでもない。掃除や荷物運び…誰でも出来て、教養のある連中がいやがる仕事を生業にしている奴らばっかりなのでさ。」

「南の村…か。それで?」

「ええ、おれたちゃ、皆で共同生活をしてるんでさ。その掘っ建て小屋でいつものように夕飯を食ってる最中に、身なりの綺麗なねーちゃんと胡散臭そうな男が5人ほど俺達の所にやってきて、上等な酒を振る舞ってくれたんでさ。そりゃ、俺達だって最初は怪しいと思ったさ。無料タダより高いもんは、ねーからな。だけどもよ。背のたけー男が、俺達の仕事が自分達の役にたってるお礼だっていいやがって、この酒は、感謝の気持ちだって言うんで、俺達もありがたく頂戴したのさ。」

「そうさ。それで一緒に飲みはじめて俺達が出来上がった頃、掃除の依頼をされたんだ。その依頼が成功すれば、俺達にそれなりの身分と新しい仕事と高額な仕度金を用意してやると言われたんだ。」

「なるほど…。それがロゼリアを襲おうとした理由か。人、一人を襲おうとするなどと、それが例え平民であろうとも、やってはならぬ事だとは、思わなかったのか?」

「そりゃ…。躊躇したさ。だけどもよ!あいつがいうには、そこのおじょーさんは、ひでえことを平気でするっていうじゃねぇえか。俺達の南の村に悪影響を及ぼすように裏で手を回しているらしいしな。それに、俺達が城下でいい仕事につけねえのにも、そこのおじょーさんが1枚かんでるっていってたな。そんな奴、のさばらせておくわけねぇだろう?!」

さっきから、大人しく聞いていれば…私、どんだけ悪役なんですか?!意味わかんないし!まさかと思うけど、こんな話、信じないよね!?

「疑問なのだが…なぜ話をもちかけてきた男の言葉だけで、その話を信用するに至ったのだ。」

おお!まともだった!よかった!本当に皇太子このひと、王にむいてるのね。出会いが残念だったから私のなかでは、恋愛対称にはならないけど、臣下としてなら尊敬しても、いいわ。

「!!!」

「…まさかと思いますが、自分達を認めてくれただけで信用されたのでは、ありませんよね?」

ちょ!笑顔が怖いってば!ロナウド様!!ブラックロナウド様の隣で苦笑いしてる皇太子様も!家臣なんでしょ?!ちゃんと手綱ひいときなさいよ!

「だってよぅ…。」

「だってなどと、言い訳でしかありません。」

「そうだな。お前達の生い立ちや南の村の状態については、考えさせられる事だが、それがきっかけといえ、人を襲おうとした事は、ゆるされるべきではない。」

キーンと耳鳴りのような感覚を覚える。その時私は、思い出していた。小説の中で断罪されていた『ロゼリア』《わたし》を…。


会話が多い!多すぎる!

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