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できることなら

訪問していただき、ありがとうございます。

「エルナ様。…見ての通りタルトとジャムを作っておりました。」

小説の中では、エルナは『私』の侍女だったけれど、今は同僚という立場ではあるが、エルナはそれを認めていない。エルナは自分が貴族であることをいい事に高圧的な態度で私に接している。

「まあ…。それは…誰のために?」

「マリア様と自分のためです。」

「マリア…様ね…。」

エルナの魔力を感じるけど、この結界は簡単に破る事など出来ないだろう。多分エルナも、なぜまだ私の作ったものが無事なのかがわかっていないとみえ、すごくイライラしているのが伝わる。その魔力、押さえないと廊下にいる誰かさんに伝わりますよ。

「何をしているんだ!エルナ!!」

ほら。来ちゃったじゃない。ていうか、すごく解りやすい位置でうろうろしてたのに、お互い気が付かなかったの?

「ロナウド様!」

私に向けられていた魔力がふっとなくなり、鋭い表情をしていたエルナの顔があからさまに変化した。私など意識の中にも今はないのだろう。ロナウド様にむける好意がだだもれだ。

「何をしていたのだ。」

「え。いえ、あのぅ…。あ、ロゼリアがマリア様にケーキを作っていると申したので、マリア様の身に何かあってはいけないと思い、毒などはいっていないか確かめようとしておりました!」

おい、ちょっとまてエルナ…。攻撃してたのは、貴女のはずですよ。

「そうか。それならば問題ない。出来上がるまでを私がみている。」

あ。監視してたんですね。やっぱり。でも隠しきれていませんよ。残念です。というか…この状況みて私が防御したってことわからないの?この人。自分の婚約者が陰で何してるかぐらい把握しなさいよ!

「そ…うでしたか。それでしたら問題ありませんわ。」

「では…クリストファー様こちらをマリア様にお届けください。私はここを片付けなければいけないので。(私がぶちまけたわけじゃないけど。)」

タルトの回りに結界をはり、悪意をもっていない場合のみタルトに接する事ができるようにした。

「ああ。それでは、もっていきます。」

「私も、御一緒します!」

はいはい。勝手に一緒に行っちゃってください。例え、エルナが私の作ったタルトに何かをしようとしても、無駄ですから。


はぁ…。またこの面倒な攻防が1週間あるのか…。戻ってきてそうそうすでに帰りたいよ。まぁ、でもマリア様の事が心配だし、身の危険はまだ感じていないからいいか…。

さっさとここを片付けて侍女長とキャロルにジャムもっていこーっと。


「まあ!フランシーのジャムですって?ありがとう。ロゼリア。」

「いえ。お世話になりますので。」

「私までいいの?」

「もちろんよ。キャロルさん。」

こんなに喜んでもらえるなら嬉しいな…。今度帰ったときは、アプラの実をもぎとって乾燥させたものをプレゼントしようかしら。

ん?今、物でつってるとか思った貴女、当然ですよ。私の身を守る糧になるのなら、このぐらいたいしたことじゃないのよ!

まあでも、喜んでもらえるのが嬉しいっていうのが一番だけど。

「それで…私がいない間は特に何も?」

「ええ、マリア様に直接の害はございません。私としてもどうにか証拠をつかみたいのですが…。」

「侍女長は、あまり無理なさらないでください。侍女長に害をなすことはないと思いますが、念のため。もちろん、キャロルさんも。」

私の真剣な表情をうけとめてくれた2人が一緒にうなずいていた。

出来ることなら、エルナにも幸せになってほしいんだけどなぁ…。ロナウド様の恋心が早くなくなってくれるように私が頑張る方向に動くとなると、また変なフラグ立ちそうなんだよね…。ああ、もう!私の平凡な生活カンバーック!


気を抜くとシリアスになる癖あり。

ちなみに…フランシーは洋ナシイメージ

アプラは、りんごイメージしてます。

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